2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21000005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅 裕明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00361668)
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Keywords | 天然物有機化学 / 生理活性物質 / 生体高分子 / 生合成 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
(1)両親媒性環状特殊ペプチドの合成技術開発 本研究では、申請書に記載した研究戦略を若干見直し、meta-あるいはpara-aminobenzoic acidが2連結した分子に2-chloroacetyl基で修飾したフェニルアラニンで翻訳を開始し、ペプチド鎖下流のシスティン側鎖と架橋する合成技術を開発した。平行して、aminoethylbenzoic acidで修飾したアミノ酸で翻訳を開始し、ペプチド鎖下流の5-hydroxy-tryptophaneと酸化的に架橋することでヘテロ環をもつペプチドを合成する技術を開発した。いずれも疎水性官能基で架橋した両親媒性特性をもちうる環状特殊ペプチドのライブラリー合成を達成した((3)に続く)。 (2)リボソームによる炭素・炭素結合形成技術開発によるポリケチド骨格含有特殊ペプチドの合成 本研究は計画の中で最もハイリスク・ハイリターン型研究として位置づけられており、平成23年度も様々な方法を試行してきたが、まだ目標を達成できていない。平成24年度も研究の方法論を変え、継続する予定である。 (3)上記特殊ペプチドライブラリーの合成と網羅探索系の融合 上記(1)で達成されたライブラリー合成技術のうち後者については、平成22年度に完成させたRaPIDシステムに組み込もことに成功した。その技術を基盤として薬剤候補探索を行った((1)に続く)。 (4)生理活性特殊ペプチドの探索 上記(3)の技術を用い、平成23年度はPCNAと呼ばれるDNA複製に関与する蛋白質を標的として活性種探索を行い、特殊ペプチドの濃縮に成功した。平成24年度に渡ってその活性評価を継続していく。また、本計画内で、既に完成させている特殊ペプチドライブラリーを用いて、SIRT2、PfMATE、c-MET他4種を標的とした特殊ペプチドの探索をおこない、目的の活性種の同定に成功、既に前者2つについては蛋白質との複合体の共結晶構造解析にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(2)の目標の達成は遅れているものの、その他の項目については一部当初の計画以上に進展しており、全体で見ると概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(2)については、tRNAの3'末端の水酸基をチオール基に変換することで、より高い活性をもつ脱離基に変更、炭素炭素結合の効率化を図る。その他については、同定された活性特殊ペプチドの評価を継続し、論文発表へこぎつける。
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Research Products
(34 results)