2010 Fiscal Year Annual Research Report
電気刺激による腫瘍血流制御を応用した新癌治療法の開発-放射線・化学療法との併用
Project/Area Number |
21200021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲田 栄子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (60375201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 久哲 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30333818)
半田 康延 東北大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (00111790)
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Keywords | 癌 / 電気刺激 / 血流制御 / 低酸素領域 / 放射線治療 |
Research Abstract |
本研究は、電気刺激によって腫瘍内部の血流を任意にコントロールすることで、腫瘍内血流増加による低酸素状態の改善と血流減少による腫瘍成長抑制を任意のタイミングで行い、画期的な治療効果を上げようとするものである。すなわち、電気刺激のタイミング、条件等を変化させることで、腫瘍内部の酸素分圧を高くしたり低くしたりコントロールし、腫瘍を制御しようという試みである。 平成22年度においては、腫瘍を移植したマウスにて、電気刺激および放射線療法を施し、電気刺激単独群・放射線療法単独群に比べ、電気刺激と放射線療法を組み合わせた群では、抗腫瘍効果が上がるか否かを、【I.最適タイミングの検討】【II.電気刺激と放射線療法の併用での治療効果の検討】の二点を中心に検証した。 最適タイミングについては、電気刺激後数分で腫瘍表面における血流量の有意な増加を認めた。さらに、腫瘍表面の血流量増加に遅れること数分で、腫瘍内部の組織酸素分圧が有意に上昇する事が認められた。腫瘍表面から腫瘍内部に酸素が拡散する事によって時間遅れが生じたものと考えられるが、この腫瘍内部で酸素分圧が上昇したタイミングが、放射線照射の最適タイミングではないかと考えている。また、この腫瘍内部の酸素分圧が有意に上昇する時間を目安に、放射線照射を行う方法で放射線療法の治療効果の変化の検討を継続している。また、電気刺激と放射線療法を併用した群の効果については現在詳細に検討中である。
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Research Products
(1 results)