2011 Fiscal Year Annual Research Report
電気刺激による腫瘍血流制御を応用した新癌治療法の開発-放射線・化学療法との併用
Project/Area Number |
21200021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲田 栄子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (60375201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 康延 東北大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (00111790)
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Keywords | 癌 / 電気刺激 / 血流制御 / 低酸素領域 / 放射線治療 |
Research Abstract |
本研究は、電気刺激によって腫瘍内部の血流を任意にコントロールすることで、腫瘍内血流増加による低酸素状態の改善と血流減少による腫瘍成長抑制を任意のタイミングで行い、画期的な治療効果を上げようとするものである。すなわち、電気刺激のタイミング、条件等を変化させることで、腫瘍内部の酸素分圧を高くしたり低くしたりコントロールし、腫瘍を制御しようという試みである。 最終年度である平成23年度においては、C3Hマウスの右大腿部にSquamous Cell Carcinoma-VII腫瘍(SCC-VII)を移植し、仙骨部後仙骨孔直上の皮膚表面に電気刺激を行った結果、刺激中に腫瘍表面の血流値で22%の増加、電気刺激終了から約50分後に腫瘍内部の酸素分圧で28%の増加が確認された。低酸素マーカーであるピモニダゾールを使用した結果、コントロール群で53.4±30.4%、刺激直後投与群で53.4±18.1%、刺激40分後投与群で42.3±17.5%となり、電気刺激終了直後では低酸素領域の減少は見られなかったが、電気刺激終了後40分で低酸素領域は約20%有意に減少し、組織的に低酸素状態の改善が確認できた。X線を腫瘍移植部に局所照射したところ、一回照射(総線量5Gy)・分割照射(総線量7.5Gy)のいずれにおいても放射線単独群より放射線+電気刺激併用群で腫瘍の成長に遅延が見られた。 しかし、電気刺激の刺激電圧のちがいによる効果の差異は明らかにはならなかった。 本研究により、電気刺激によって腫瘍内低酸素領域を改善でき、放射線照射による治療成績が向上できる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)