2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代第一原理粒子シミュレーションによる無衝突衝撃波の粒子加速機構の解明
Project/Area Number |
21200050
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅田 隆行 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (40432215)
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Keywords | 宇宙線 / 超高層物理学 / プラズマ / 計算物理 / 次世代スーパーコンピュータ |
Research Abstract |
低マッハ数垂直衝撃波における非定常現象である周期的再形成について、2次元空間における振る舞いを解析した。本研究ではまず、衝撃波遷移領域で生じる波動に着目し、衝撃波上流の速度と電子の熱速度の比に左右されることを明らかにした。上流速度が非常に速い場合には電子サイクロトロン高調波が励起するが、この波動はイオンの散乱にはあまり影響しない。上流速度が電子の熱速度よりも小さい場合にはホイッスラー波が励起し、衝撃波の磁場と相互作用を起こす。 次に、リップルと呼ばれる衝撃波面がイオンスケールで空間的に変動する現象に着目し、大規模な2次元粒子シミュレーションを行った。リップルがない場合、1次元シミュレーションと同様の発展を見せる。リップルが存在する場合は、衝撃波遷移領域で励起した波動の特性によって、再形成の存在が左右されることを明らにした。微視的不安定性によって電磁的電子サイクロトロン(ホイッスラー)波が励起する場合、ホイッスラー波がリップルを強めて、そのリップルによってホイッスラー波がさらに強まる波動-波動相互作用が生じる。その結果、遷移領域の反射イオンがホイッスラー波によって激しく散乱され、十分な量のイオンが衝撃波面前方に反射されずに、再形成が消失する。次にWhistler波が励起されない場合は、リップルによってイオンの反射周期が乱され、その結果再形成周期が長くなる。 以上より、低マッハ数垂直衝撃波における再形成の存在条件を明らかにし、電子スケールの波動が流体スケールの衝撃波の構造に影響を与え得ることを示した。
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Research Products
(16 results)