2009 Fiscal Year Annual Research Report
小型衛星を目指した多素子X線マイクロカロリメータの開発
Project/Area Number |
21224003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大橋 隆哉 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 教授 (70183027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 欣尚 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (10285091)
江副 祐一郎 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (90462663)
山崎 典子 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (20254146)
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Keywords | 宇宙物理学 / X線天文学 / 科学衛星 / 銀河間物質 / X線檢出器 / マイクロカロリメータ |
Research Abstract |
本研究の目的は、エネルギー分解能約2eVで256素子からなるTESカロリメータシステムを開発し、これを搭載して宇宙のダークバリオンを探査する、小型科学衛星DIOSの搭載機器のプロトモデルを作ることにある。H21年度は研究の1年目にあたり、TESカロリメータ、TESアレイの読み出し系、断熱消磁冷凍機の3点について開発を進め、以下のような成果が得られた。 1. 本グループが自作した単素子のTESカロリメータで、6keVのX線に対するエネルギー分解能が2.8eVに達した。これは世界記録の1.8eVに迫る優れた結果である。またスパッタにより多数のTi-Au薄膜基板を製作し、超伝導転移温度を100mKに再現する条件を確立した。 2. TESアレイからの信号を、周波数分割によって多重読み出しする技術を、ベースバンドフィードバックという新たな方法をもとに開発した。その基礎としてTESカロリメータを5MHzで駆動することに成功し、10素子ほどの信号を1つの信号線で読み出す見通しを得ることができた。 3. 自作の2段式の断熱消磁冷凍機がほぼ完成し、約60mKまでの冷却に成功した。また新たに小型のヒートスイッチを開発し、on-offの熱伝導率の比1000以上を得ることができた。 研究は予定通り進展している。2011年にはJAXAより小型科学衛星3号機への提案募集が行われる予定であり、本研究をベースにDIOSを正式提案するための準備が進められた。
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Research Products
(3 results)