2010 Fiscal Year Annual Research Report
小型衛星を目指した多素子X線マイクロカロリメータの開発
Project/Area Number |
21224003
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大橋 隆哉 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (70183027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 欣尚 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (10285091)
江副 祐一郎 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (90462663)
山崎 典子 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (20254146)
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Keywords | 宇宙物理学 / X線天文学 / 科学衛星 / 銀河間物質 / X線検出器 / マイクロカロリメータ |
Research Abstract |
本研究の目的は、エネルギー分解能約2eVで256~400素子からなるTESカロリメータシステムを開発し、これを搭載して宇宙のダークバリオンを探査する、小型科学衛星DIOSの搭載機器のプロトモデルを作ることにある。H22年度は研究の2年目にあたり、TESカロリメータ、TESアレイの読み出し系、DIOSの熱設計の3点について開発を進め、以下のような成果が得られた。 1.TESカロリメータアレイのために積層配線技術を開発し、400素子の配線が高い歩留まり率で作られた。この上にTESカロリメータを作り込むための試験を進め、2層薄膜の厚さを変えたり酸化膜を除去するなどの工夫をおこなった。 2.TESアレイからの信号を、周波数分割によって多重読み出しする技術を、ベースバンドフィードバックという新たな方法をもとに開発した。読み出しに用いるSQUID(超伝導量子干渉素子)を2MHzで駆動することに成功し、TESと組み合わせた信号読み出しへ進みつつある。 3.JAXAの小型衛星企画をベースに観測系の熱設計を行った。ASTRO-Hへ搭載を予定している機械式冷凍機の仕様で検討したところ、冷却は可能だが、消費電力が280Wと大きすぎるため、電力削減へ向けた検討が必要である。軌道上で衛星への熱入力を減らすなど検討しつつある。研究は予定通り進展している。小型科学衛星3号機への提案募集は2012年度の前半に予定されており、オランダや米国との国際協力も含め、提案へ向けた準備を進めた。
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Research Products
(4 results)