2013 Fiscal Year Annual Research Report
小型衛星を目指した多素子X線マイクロカロリメータの開発
Project/Area Number |
21224003
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大橋 隆哉 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (70183027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 欣尚 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (10285091)
山崎 典子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (20254146)
江副 祐一郎 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (90462663)
|
Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2014-03-31
|
Keywords | 宇宙物理 / X線天文学 / 人工衛星 / 超伝導材料・素子 |
Research Abstract |
ダークバリオンの探査を目指す小型衛星DIOSへ向けて、TESカロリメータ検出器の開発を行うとともに、冷凍機や読み出し系も開発し、衛星の実現へ向けた検討を行った。H25年度は、多素子のTESカロリメータの製作のために、積層配線上にTESを作り込む方法の改良に取り組んだ。積層配線とはSi基板の厚さ方向に、絶縁層をはさんで2層の配線が走っているもので、限られた面積の中に多素子の配線を施すためには極めて有効である。これまでは、配線が作る段差の上に二層薄膜を作ることになり、超伝導転移特性に問題のあることがわかっていた。産業技術総合研究所との共同研究により、配線で作られた壁を斜めに削る加工を行い、二層薄膜に段切れをおこさないような成膜を試みた。実証モデルを用意し、配線による壁を斜面型に加工した上でTi-Au薄膜を製作した。その結果、転移温度175 mKで良好な転移特性を出すことができた。これにより、400素子のTESカロリメータを製作する技術をほぼ確立することができた。また新設計による熱スイッチを用いた断熱消磁冷凍機の開発を立教大学と共同で進め、ガスの吸着脱離を行うチャコールボックスの問題点を明らかにし、冷凍機製作の見通しを得た。 多素子の信号読み出しへ向けて、周波数分割に寄る多重化読み出しの開発を進めた。新たにベースバンドフィードバックのための増幅回路を製作し、これを用いても信号多重化が問題なく行えることを確認した。これをもとに新しいSQUID基板の製作を進めた。 DIOS衛星としての検討を引き続き進め、冷凍機の電力約380 Wに対応するために、太陽電池パネルを片側4枚とし、デュワーと4回反射望遠鏡の実装も行い、振動特性や熱的な成立性に大きな問題がないことを確認した。DIOS衛星へ向けた開発の成果を国際シンポジウムSuzaku-MAXI 2014や日本天文学会で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(11 results)