2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21224010
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70251486)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 謙介 山口大学, 理工学研究科, 教授 (60334314)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 低温物性 / 物性実験 / 超流動 / 量子相転移 / ジョセフソン効果 / ヘリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、強相関ボース系であるヘリウム4をナノサイズの空間に閉じこめることで生まれる新奇量子現象を系統的に明らかにし、超流動性を自在に制御する方法を確立させ、更に新しいアイデアに基づく超流動ジョセフソン素子を開発して、様々な科学技術への応用研究を展開する。平成26年度に繰越を行い、下記の新しい展開があった。 ナノ多孔質ガラスに吸着した4He薄膜の量子臨界膜厚(超流動オンセット膜厚)以下の非超流動領域で、ヘリウム薄膜が低温で硬くなる現象を、ねじれ振り子の周波数・散逸挙動と有限要素法による数値解析から明らかにした。この硬化現象は、非超流動相が数Kのエネルギーギャップを持つ一種のモット絶縁体であり、非圧縮性を有すると考えれば自然に説明できる。これはヘリウム薄膜に対する全く新しい概念の提案であり、グラファイト上ヘリウム等の乱れのない系への発展が期待される。 また、ナノ細孔アレイ中ヘリウムの超流動特性の測定を完了し、細孔中ヘリウムが流速に依存した大きな散逸を持つことを最終的に検証した。この原因について、渦生成や乱流転移の観点から検討を行っている。ナノ細孔アレイを用いたジョセフソン接合の開発も並行して進め、圧力下でのジョセフソン効果を観測できる見通しが出てきた。 また、カーボンナノチューブを細孔アレイとして利用する研究から発展した研究として、ナノサイズグラフェン上で加圧した4Heの層状結晶成長をねじれ振り子で調べ、4原子層目の固体が5つの不連続な構造相転移を示すことを発見した。 固体ヘリウムの超流動的挙動に関連して、固体弾性率の試料回転効果を調べ、回転による弾性率変化は殆どなく、過去にねじれ振り子で観測された回転効果を説明することができないことを明らかにした。これは過去のナノ多孔体中固体とバルク固体が共存した状況で回転効果をもたらす特異な現象が起こっていることを示唆する。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
[Journal Article] Spin-Dependent Acoustic Response in the Nonunitary A1 and A2 Phases of Superfluid He3 under High Magnetic Fields2015
Author(s)
S. Murakawa, A. Yamaguchi, M. Arai, M. Wasai, Y. Aoki, H. Ishimoto, R. Nomura, Y. Okuda, Y. Nagato, S. Higashitani, and K. Nagai
-
Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 114
Pages: 105304
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-