2011 Fiscal Year Annual Research Report
痛みの分かる材料・構造の為の光相関領域法による光ファイバ神経網技術の機能進化
Project/Area Number |
21226011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保立 和夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60126159)
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Keywords | 計測システム / 光ファイバセンサ / スマート材料・構造 / 分布型センシング |
Research Abstract |
「BOCDA法の機能進化:温度と歪の高精度・同時・分布センシング機能」では、偏波維持光ファイバのブリルアン散乱特性と複屈折特性を独自相関領域法で測定して温度と歪を同時・分布計測する技術において、測定レンジ延伸法を提案・実証し、空間分解能の制限要因を突き止めてその向上技術も提案し、約5倍の分解能向上を実証した。「BOCDA法の機能進化:分布量全体のダイナミックセンシング機能」では、相関ピーク(測定)位置を光ファイバ長手方向に自動掃引する技術とロックイン検波なしでも雑音低減可能な技術を提案して、全分布情報を毎秒20回測定することに成功した。 「ブリルアン散乱歪センシングのシステム構成の進化:BOCDR法の高性能化」では、提案した光源の周波数変調と強度変調を併用する新技術についてシミュレーション手法を確立して実験結果との比較検討で良い一致を示し、1cmの空間分解能と6000μεの高歪測定を両立させた。「ブリルアン散乱歪センシングのシステム構成の進化:簡素化BOCDA法」では、提案した温度と歪の同時・分布計測を可能とする簡素化システムを構築して、分離計測機能を実証した他、ポンプ光とプローブ光の時分割発生法の精度向上も果した。 「長尺FBG歪センシングシステムの機能進化」では、提案した長尺FBG分布型センサの多点配置システムにおいて、光源のコヒーレンス長を超えた遠方でも機能する技術、光ファイバに沿って複数存在する相関ピークから一つだけを分離検出する技術、相関ピークを位相変調で掃引する技術等を提案・実証した。 「痛みの分かる材料・構造の機能進化の実証」では、関連企業との共同研究にて航空機ヘルスモニタリング用にBOCDAに基づく温度と歪の同時・分布計測機を試作し、BOCDA法によるガラス光導波路の特性評価にも成功し、BOCPA法のプラント診断への応用も検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
温度と歪の同時計測での空間分解能制限要因の把握と解決法の実証、相関ピーク位置の自動掃引法の提案・実証、BOCDR法での強度変調併用による高分解能と大歪測定の両立、簡素化BOCDA法での温度歪分離計測系の提案・実証、PLC光導波路評価法実証、温度歪分離測定機試作など、当初計画を加速ないしは上回る成果が複数蓄積されている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に沿って研究を推進するが、それを加速ないし上回る提案・成果も得られており、それらも取り込んで研究を実行する。温度歪同時分布測定系では空間分解能向上の極限化も図る。全分布量高速測定技術では速度と歪感度の両立も図る。BOCDR法では空間分解能・歪レンジと距離レンジ拡大も実現する。ランダムアクセスの速度向上でのレンジ拡大、簡素化BOCDAでの温度歪同時測定系の機能進化も図る。長尺FBG多点化系では位相変調での測定位置掃引も実現する。試作機での航空機モニタリング等、機能実証も進める。
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