2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウエーハ等価薄膜太陽電池の直接製造を可能とするメゾプラズマ次世代シーメンス法開発
Project/Area Number |
21226017
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 豊信 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00111477)
|
Keywords | エピタキシャル成長 / メゾプラズマ / 単結晶シリコン / 太陽電池 / シーメンス法 |
Research Abstract |
「シリコン膜の堆積高速化・高収率化・高品質化」 昨年度までに、当初計画通り、トリクロロシラン(TCS)を原料ガスとして利用し、高周波13.56MHzで40kWまでの入力を可能とするメゾプラズマCVDシステムを完備し、エピタキシャル成長が達成される典型的堆積条件下において、SiH_4ガスを利用した場合の膜に匹敵するホール移動度を有する品質のエピタキシャル膜を実現した。特に、高RF入力の効果として、約700nm/secの超高速度でのエピタキシャル成長を達成すると共に、特定の過剰水素条件下において、従来のSIEMENS法に比して2倍以上の高い効率でエピタキシャル成長が可能である事を実証した。更に、単結晶膜リフトオフ化に向けたSiO2パターン基板上においても一様な単結晶Si膜堆積を確認し、特異なエピタキシャルオーバー成長に対する実験変数の大凡の傾向を把握した。また、初期実験段階ではあるが大面積・連続エピタキシャル成膜を意図した移送基板上へもエピタキシャル成長が実現されることを確認した。 「メゾプラズマフローの理論的解析」 メゾプラズマ条件近傍で計算が収束する条件を基本とし、プラズマフロー解析進めた。電子温度とガス温度の異なる非平衡特性の入力依存が認められ、トーチより噴出しプルーム形状を呈する、ビデオ観察結果に近いプラズマ流の温度分布が確認された。 「メゾプラズマ成膜機構の解明」 高精度のポテンシャルを用いた分子動力学計算により、多様なナノクラスター成膜前駆体の性状及び基板温度とエピタキシャル成長時のクラスター挙動との相関から、主にクラスターの瞬間的な自己局所構造化と変形拡散の2つの機構により高速エピタキシャル成長が達成される可能性を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題開始当初に計画した本年度までの主要な目標である、1)新メゾプラズマシステムの構築とプロセス基本設計、2)高速エピタキシャル成長の基本メカニズムと高速・高品質化指針提示、3)高速・高収率エピタキシャル堆積の実証、の何れの項目に対しても期待される成果を得、計算に関しては期待以上の成果を得ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って研究を進める。昨年度の成果を踏まえて、(1)メゾプラズマの特異性及びナノクラスター支援エピタキシャル成長機構の理解を深化させると共に、実際の単結晶デバイス化を見据えたプロセス構築を展開する事、及び(2)エピタキシャル成膜とリフトオフ技術連成を想定した高速化・高品質化の指針提示、を主な課題とする。 なお、当該研究遂行における問題点はない。
|