2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21226021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高瀬 雄一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70292828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江尻 晶 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30249966)
永島 芳彦 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90390632)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 球状トカマク / 高周波 / 電流駆動 / 自己組織化 |
Research Abstract |
H21年度に用いた2ストラップ型ループアンテナは方向性をもたない波を励起するので、電流駆動には適さない。H22年度には方向性をもつ進行波を励起するコムラインアンテナを用いて実験を行った。このアンテナは低域混成波(LHW)ではなく速波(FW)を励起するため、FWをLHWに変換する機構が必要となる。これらのアンテナを使った実験結果より、プラズマ生成直後はプラズマが自発的に流す圧力駆動電流が支配的だが、更に電流を上昇させるためには、RFが電子を加速する直接駆動電流が重要となることがわかった。これはSTでもLHWによる電流駆動が可能であることを示す世界初の成果である。プラズマ中に励起された波動およびプラズマの輸送を支配する乱流を詳細に計測するため、静電プローブを増設し、高速バイポーラ電源、ディレイパルサーを導入した。励起された波動の高周波磁場および電場の空間分布および偏波を磁気プローブおよび静電プローブを用いて調べ、パラメトリック崩壊による非線形結合を確認した。また、波動に加速された高エネルギー電子の情報を得るため、X線エネルギー分布測定用波高分析器の改良等を行った。更に電流駆動研究にとって重要なバルク電子温度測定用トムソン散乱の集光ミラーの大口径化、分光器の改良等による性能向上を行い、OH放電ではダブルパス方式による温度非等方性も含めた電子温度計測に成功している。LHWを直接励起するため、電磁解析コードCOMSOLを用いて、アルミナを充填した導波管アレイアンテナを設計した。このアンテナは、通常扱われるサイズを大きく上回るアルミナを必要とするため、当初予定していた方法では製作することができないことが判明した。複数の代替案を検討し、業者との調整を行ったが、設計の確定および製作法の検討に予定以上の時間を要したため、製作は年度を繰り越して行われた。
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