2013 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒合成を基盤とする有機イオウ・リン有用物質の高機能化と環境調和利用
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21229001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 雅彦 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30158117)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遷移金属触媒 / ヘテロ元素化合物 / 有機合成化学 / 平衡移動 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘテロ元素化合物の遷移金属触媒合成反応を多種開発した.CO結合の切断再配列に関して,医薬品開発で重要であるが従来は効率的でなかったビス(ヘテロ環)メチル化合物の合成を達成した.また,CO結合およびCS結合の切断とアルケンへの付加反応を開発して,本研究が活性化されていないオレフィンの反応のレベルに達した.さらに,活性化がとくに難しいとされているCN結合切断に遷移金属触媒が利用できること実証した.安価で入手の容易なイオウを反応剤に用いるチイラン合成を達成した. 不均一反応系構築の方法論の開発を進めた.とくに有機ゲル系および固体表面系における反応場を有機分子の自己組織化によって構築する方法を開発した. 遷移金属触媒反応で触媒が高活性化すると必ず平衡反応を与える.従って,平衡状態以上に収率をあげることは容易でない.この課題の克服に関して,平衡移動反応を実現するための重要な知見を得た.共反応剤・共生成物系を設計して反応を制御する原理と方法を開発した.また,シリカナノ粒子を用いて熱的反応および遷移金属触媒反応における平衡移動に成功した.光学活性ヘリセンを担持した70nmシリカナノ粒子を懸濁した状態で反応を行うと,反応系中における分子認識によって特定の化合物を吸着して凝集沈殿する.結果として,その化合物が反応系から除去されるので,平衡が移動する.分子認識のために指針も提示した.化学反応は平衡を越えることはないとされていたことに対して,平衡状態を越えてすなわちルシャトリエの原理を越えて収率を向上させることが原理的に可能であることを示した.さらに,熱的ヒステレシス現象に認められる可逆的な非平衡化学反応系に関する新しい知見を得た.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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