2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21243018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 裕浩 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 教授 (60251188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澄 英男 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10261273)
日引 聡 国立環境研究所, 社会環境システム研究領域環境経済政策研究室, 室長 (30218739)
渡部 敏明 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90254135)
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Keywords | ペイズ統計学 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 金融リスク / 計量経済学 / 高頻度データ / DSGEモデル / 分位点回帰 / 極値 |
Research Abstract |
(1)大森(計量ファイナンス分析)。(1)非対称性のある多変量確率的ボラティリティ変動モデルのための効率的な推定方法を石原庸博氏(東大・院)とOmori and Watanabe(2008)を一般化する形で開発・提案し、単純な推定方法と比較するとともに東証の業種別株価指数を用いた実証分析を行った。(2)GIG分布を取り入れた1変量SVモデルの推定.誤差項の分布としてすその厚い分布の一般的なモデルを中島上智氏(日本銀行金融研究所)と共同研究し、効率的な推定方法の提案及びTOPIXの実証分析を進めた。(3)誤差項がグンベル分布に従う潜在変数の自己回帰・移動平均過程に基づいた状態空間モデルを提案し,マルコフ連鎖モンテカルロ法による推定方法の開発を国浜剛(東大・院)ら氏と行い、1ヶ月間の日次収益率の最小値を用いた極値時系列の実証分析を行った。 (2)古澄(ベイズ計量分析)。分位点回帰モデルに対する計量手法の開発を中心に研究を行った.具体的には,潜在変数を導入することによって,分位点回帰モデルを混合モデルの形に定式化し直し,シミュレーションを用いた推定方法の開発を行った.開発した推定方法は,既存の方法と比べて極めて簡便であるだけでなく,効率的であることを数値実験などを通して明らかにした.また,動学パネルデータに対する分位点回帰モデルへの拡張も行った.これらの研究成果は,国際会議などで共同研究者が発表を行っている。 (3)日引(環境経済学)。企業の汚染物質排出量を削減する手段として、環境税や規制などの政策手段が議論されているが、その導入までに長い期間かかることから、近年、企業の自主努力を促進する制度・政策に関心が寄せられている。本研究では、そのような制度・政策の有効性を明らかにするために、事業所レベルのデータを用いて、企業・事業所の自主努力の一つとして、環境マネジメントシステム(特に、ISO14001認証取得制度)の導入を対象に、認証取得のインセンティブを明らかにし、認証取得がトルエン(化学物質排出量の一つ)排出削減に有効となっていることを明らかにした。 (4)渡部(計量ファイナンス・マクロベイズ計量分析)。資産価格の高頻度データを用いて以下の研究を行った。(1)日中のリターンの2乗和であるRealized Volatility(RV)が日経225オプション価格の導出に有用であることを明らかにした。(2)マイクロストラクチャ・ノイズを考慮した新たなボラティリティの推定方法を開発した。(3)RVで基準化したTOPIXのリターンには過去の値との線形・非線形依存関係が無いことを示した。また、以下のマクロ計量分析を行った。(1)マルコフ・スイッチング・モデルに構造変化を加味したモデルを用いて日本の景気循環の構造変化の数および時期の推定を行った。(2)日本のマクロデータでもVARモデルをベイズ推定する場合の事前分布の選択にDSGEモデルが有用であることを示した。(3)可変パラメータVARモデルを用いて、日本の金融政策の効果
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Research Products
(53 results)