2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21243018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 裕浩 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60251188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澄 英男 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10261273)
日引 聡 国立環境研究所, 社会環境システム研究領域環境経済政策研究室, 室長 (30218739)
渡部 敏明 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90254135)
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Keywords | ベイズ分析 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 金融リスク / Stochastic Volatility / Realized Volatility / 信用リスク / 分位点回帰モデル |
Research Abstract |
大森は,Ishihara and Omoriで多変量確率的ボラティリティのための効率的なサンプリングの方法について,1変量のモデルのために開発されたブロック・サンプリングの方法を拡張することを提案した.一方,中島・大森では,1変量の確率的ボラティリティ変動モデルにおいて誤差項に歪みのある場合を含むより一般的なモデルを用いて実証分析を行い,期待ショートフォールやVaRなどの指標を用いてリスク評価を行った.Miyawaki and Omoriでは閾値が共変量に依存するトービットモデルのための効率的なマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法による推定方法を開発した.渡部はTanaka,Yamada and Watanabeで、信用リスクを考慮した金利派生証券の価格付けに幅広く応用できる方法としてGram-Chalier展開を用いた方法を提案した.また、Realized Volatility(RV)が日経225株価指数オプションの価格付けに有用であるかどうか分析し、昼休みと夜間のリターンを用いずHansen and Lunde(HL)の方法によって調整したRVをボラティリティ変動の長期記憶性と非対称性を考慮したARFIMAXモデルで定式化した場合のパフォーマンスが高いことを明らかにした.さらに他の方法でマイクロストラクチャノイズの調整を行ってもパフォーマンスが改善しないことも明らかにした.古澄は,動学パネルデータに対する分位点回帰モデルの開発を行い,提案するモデルに対する計量手法の開発を行った.具体的には,説明変数としてラグ付き従属変数を導入することで動学的な分位点回帰モデルを考え,さらに柔軟なモデルを構築するために,説明変数と相関を持つ個体効果もモデルに導入した.本研究で提案する計量モデルに対しては,分位点回帰モデルを混合モデルの形に定式化し直し,MCMC法による推定方法の開発を行った.日引はヘドニックアプローチを使って、住宅市場が、周辺の事業所で生じている化学物質排出のリスク(事故や漏出などによって生じる健康リスク)をどのように認知・評価しているかを分析した。その結果、事業所から0.5~1.0Km離れている場所では、化学物質排出量の増加に伴って有意に家賃が下落していることが分かった。
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Research Products
(28 results)