2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21243018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 裕浩 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (60251188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澄 英男 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10261273)
日引 聡 上智大学, 経済学部, 教授 (30218739)
渡部 敏明 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90254135)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マルコフ連鎖 / モンテカルロ法 / ボラティリティ / ベイズ分析 / 金融リスク |
Research Abstract |
大森は、変量確率的ボラティリティ変動モデルにおいて非対称性のある・裾の厚い誤差分布を考えて、母数推定のためのMCMC法による効率的な推定方法を提案した。また1変量モデルにおいて非対称性やゆがみを考慮したGeneral Hyperbolic分布を誤差項に用いた拡張を行った。さらに金融資産収益率の極値の時系列モデルのための状態空間表現を与え、ARモデル及びMAモデルの効率的な母数推定の方法を提案して実証分析を行った。渡部は、時変VARモデルを日本のマクロデータに応用し、パラメータ一定の通常のVARモデルより予測パフォーマンスが高いことを示した。また、Reversible Jump MCMCを用いた時変VARモデルの変数の順番の選択方法を開発した。古澄は、分位点関数に特定の関数形を仮定しないセミパラメトリック分位点回帰モデルの開発を行い、提案する計量モデルをより効率的に推定するための方法を開発した。具体的には,未知の分位点関数をスプライン基底関数によって表現したセミパラメトリックモデルを構築した。その際、罰則付きスプラインの方法を適用することによって過剰適合の問題を回避している。モデルの推定に関しては、混合分布を利用することによって実行が簡単なギブスサンプリングによる推定方法の開発を行った。日引は、将来の気候変動に備えてどのようにインフラ整備をすべきかという問題に応えるためには、気候変動によって生じるさまざまなリスクの価値を推計する必要があると考えて、ヘドニックアプローチを用いて東京地域の地価を分析し、洪水リスクの価値を評価した。その結果、地価は,洪水リスクに直面することによって約10.24%低下し、単位面積当たりの洪水被害額は120万円/㎡に上ることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大森は研究成果について国内外の学会等において招待講演を含む多くの発表を行い、査読つきの15論文(日本統計学会誌 2、Journal of Japan Statistical Society 1、Japanese Economic Review 2、Computational Statistics & Data Analysis 6、Journal of Time Series Analysis 1、洋書に所収3)を学術雑誌等に掲載した。渡部は国内外での多くの学会発表を行うとともに、資産価格の高頻度データを用いた実証分析やマクロ経済のDSGEモデル・可変係数VARモデルの応用研究について査読つきの7論文を掲載・発表している(日本統計学会誌1, Quantitative Finance 1, Japanese Economic Review 1, Journal of the Japanese and International Economies 1, 経済研究 3)。また日引は環境マネジメントシステムの有効性や住宅市場における化学物質排出のリスクについて査読つきの3論文 (Japanese Economic Review 1、日本経済研究1、Journal of Environmental Management 1)、古澄は動学パネルデータに対する分位点回帰モデルや分位点関数のスプライン既定関数による表現に基づくセミパラメトリックモデルについて、ベイズ・アプローチを用いてモデルパラメータの効率的な推定方法を開発し査読つきの2論文(Journal of Regulatory Economics 1、Computational Statistics 1)を含めた発表をしている。以上より,研究達成度は順調であり着実に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)「金融リスクの評価を行うモデルの開発」 大森は確率的ボラティリティモデルの拡張・多変量因子確率的ボラティリティモデル・動学的相関構造モデル・実現共分散行列との同時モデル化・極値時系列のARMAモデルとそのも数推定方法の提案を行う.また新たなSVモデルのためのニュースインパクト曲線についての提案も行う.渡部はARFIMAモデルに構造変化を加えたモデルのベイズ推定法を開発し,Realized Volatility (RV) の長期記憶性が構造変化によるものかどうか分析する.また現在,査読付き学術誌に投稿中のマイクロストラクチャノイズを加えたUnobserved Componens (UC) モデルの拡張やRVを用いたオプション価格の導出の論文の掲載を目指す.古澄は分位点関数を用いた計量モデルの開発を行う.また,提案するモデルは複雑であることが予想されるため,シミュレーションを利用した推定方法の開発も行う.数値実験や実証分析などを通して,本研究で提案するモデルや推定方法の有効性について比較・検討を行う. (2)「経済行動のベイズ計量分析」 大森はアメリカ歯科保険の購入行動の実証経済分析やブロック料金下の水道やガス需要のミクロ計量経済モデルを行う.日引は気候変動が日本の農業部門に与える影響や農作物貿易に与える影響などの環境経済学における実証分析を中心に進める.
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Research Products
(39 results)
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[Presentation] Multivariate realized stochastic volatility model2013
Author(s)
石原 庸博・大森裕浩
Organizer
ISBA Regional Meeting & International Workshop/Conference on Bayesian Theory and Applications (IWCBTA) (招待講演)
Place of Presentation
The DST Centre for Interdisciplinary Mathematical Sciences, Banaras Hindu University, Varanasi, India
Year and Date
20130108-20130108
Invited
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