2011 Fiscal Year Annual Research Report
Floer理論、正則曲線の理論とsymplectic構造・接触構造の研究
Project/Area Number |
21244002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20204232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80127422)
山口 佳三 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00113639)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50176161)
秦泉寺 雅夫 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20322795)
松下 大介 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (90333591)
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Keywords | Floer理論 / 正則曲線 / symplectic構造 / Lagrange部分多様体 / toric多様体 / A-infinity構造 / Hamilton系 |
Research Abstract |
研究代表者小野は深谷賢治氏(京都大学)Yong-Geun Oh氏(Wisconsin大学Madison校)太田啓史氏(名古屋大学)とLagrange部分多様体のFloer理論の研究を続けている。今年度は、compact toric Kaehler多様体をA-model側、Lagrangeトーラスファイバーに付随したpotential関数の普遍開折をB-model側としたmirror対称性についての研究、Hamilton微分同相写像のスペクトル不変量及びHamilton微分同相写像群の研究を論文として纏めて投稿した。特に前者の研究では、compact toric Kaehler多様体の大量子コホモロジー環と、Lagrangeトーラスファイバーのpotential関数のJacobi環の間に環同型を然るべき正則曲線のmoduli空間を用いて構成し、さらにこの同型が両者のそれぞれに定義されるpairingを保つことを示した。この仕事に続き、compact toric Kaehler多様体の深谷圏の生成系についてM.Abouzaid氏と我々4人の共同研究を纏めている。Abouzaid氏は与えられた深谷圏のobjectsの集合が深谷圏を分裂生成するための十分条件を得ていた。前述の我々の研究では、potential関数の臨界点としてFloer cohomlogyの消えないLagrangeトーラスファイバーとbounding cochainsの組が対応する。それらがAbouzaid氏の十分条件を満たすことがわかることから分裂生成系を得ることができるというのがその粗筋である。この研究は国内外の研究者の興味を引き、研究集会などで講演を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深谷氏、Oh氏、太田氏と小野によるcompact toric Kaehler多様体の運動量写像のファイバーとして現れるLagrangeトーラスに対してLagrange部分多様体のFloer理論を具体的に研究するプロジェクトは順調に進んでおり、今年度中にも200ページ超の論文にその成果をまとめ、投稿中である。関連したHamilton微分同相写像のスペクトル不変量とその応用についても論文をまとめた。これらの仕事に続くompact toric kaehler多様体の深谷圏の生成元に関するAbouzaid氏と我々4人の共同研究は、論文としてまとめるまでには至っていないが、それに向けた検討を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は順調に進んでいるので、今年度も引き続き研究を進める。日常の研究活動は、それぞれが遂行するが、必要に応じて、議論、細部の検討などのために直接会う機会を持つ。研究者の交流は、数日間、関係者の所属する研究機関への訪問や、研究課題に関連したテーマの研究集会に参加することなどする。関連した研究の動向を知るためには、研究者を招聘して講演を依頼することや、研究集会の企画などが必要になる場合もある。
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Research Products
(9 results)