2010 Fiscal Year Annual Research Report
雨天時下水道由来の健康リスク因子の動態評価手法の開発
Project/Area Number |
21246084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古米 弘明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40173546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (00302779)
栗栖 太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30312979)
鯉渕 幸生 東京大学, 新領域創成科学研究科, 講師 (60349800)
春日 郁朗 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (20431794)
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Keywords | 合流式下水道 / 雨天時越流水 / 東京湾 / 三次元流動解析 / 流出負荷解析 |
Research Abstract |
病原微生物の受水域調査と三次元流動・水質モデルによる挙動評価 お台場周辺海域における健康関連微生物を対象として、毎週1回の定期調査に加えて、9月に発生した台風の前後に晴天時から雨天後の1時間間隔の連続調査を行った。このイベントでは大規模な雨天時越流が生じたことから、お台場湾内の大腸菌濃度は、晴天時に比べ100倍以上高い値を示した。雨天後3日後には、大腸菌濃度はほぼ晴天時と同程度の濃度に低下することを確認した。そして、過去の調査データで大腸菌濃度変化の再現性を確認した三次元流動・水質モデルを用いて、9月の降雨イベントを対象に解析したところ、降雨後約20時間後より菌数が急激に増加し、1000CFU/100mL(水浴場水質のふん便性大腸菌群数基準値)を超過すること、その後基準値を下回るためには約52時間の時間を必要とすることが推定された。 さらに、お台場周辺海域水質に及ぼす潮汐の影響を評価するため、雨天時越流水が生じる時刻を上げ潮と下げ潮に変更したシナリオ分析を行った。その結果、基準値まで増加する時間と菌数の最大値には大きな違いは見られなかったが、下げ潮時に雨天時越流水が生じるとより長い時間が低下には必要であることが示唆された。また、お台場水質に隅田川からの流入水量や負荷量の影響が大きいことが示唆され、流入河川汚濁負荷を降雨パターンごとに変更できるようなモデルに改良する必要性があることが明らかとなった。 分布型都市流出モデル解析による雨天時越流判定から見た降雨の分類と特徴づけ 東京区部新河岸川排水区を対象として、総降雨量、最大降雨強度、継続時間、先行晴天時間を降雨属性として、1年間の降雨イベントの分類を行なった。分類後の代表的な降雨に対して流出解析を行い、CSOの発生の有無と降雨パターンとの関係を評価したところ、総降雨量と最大降雨強度を組み合わせた判定指標を見出せる可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)