Research Abstract |
第一期で取得したAEの発生位置の詳細と本震波形の解析から,鉱山のM2級地震の余震が,本震の断層面ごく近傍に非常に局在して発生したことがわかり,このようなタイプの余震が,本震の破壊をコントロールした,地質,破壊物性,応力場の要因に関して重要な情報をもっことを提案した.また,そのような弾性定数の境界における破壊応力についての理論的考察のための計算手法を開発した. AEの震源位置の精密決定が,非常に重要な情報をもつことがわかったので,新たな観測網の3次元性をますために,AEセンサの防水性をまし,インストール時のグラウト圧にたえられることを耐圧試験で確認した.また,センサーのケーブルに関しても,耐圧性,耐摩耗性の高いものを選定し,テストを済ませた.震源位置標定の誤差を改善し,信頼性を増すために,AEセンサのチャンネル数を増した新なAE観測システムを購入し,すでにセンサがインストールされている第一期のサイトで動作確認をおこなった. 第一期では,ダイクに関連した大きな誘発地震を観測したが,今回は,断層を囲む観測を行なえるサイトをさがし,地質調査,ボーリング調査で,断層の位置を3次元的に正確に抑えた.その結果,過去に数百メートル以上の累積変位を経験し,地表でもトレースが確認できる成熟した断層が,鉱山竪坑をよこぎっている場所でかつ,現在採掘の準備を進めているサイトに新たなAE観測網を構築できることになり,その作業を進めている.
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