2012 Fiscal Year Annual Research Report
長期的餌資源制限がニホンジカの生活史特性へ及ぼすフィードバック効果の解明
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21248019
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
梶 光一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70436674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 剛司 酪農学園大学, 農学生命科学部, 准教授 (00458134)
高橋 裕史 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, その他 (60399780)
宮木 雅美 酪農学園大学, 農学生命科学部, 教授 (60442604)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ニホンジカ / 爆発的増加 / 個体群の崩壊 / 生活史特性 / 個体群動態 / 環境収容力 / コホート / 餌資源制限 |
Research Abstract |
1.個体数のモニタリング: 2013年3月のセンサスで203頭(39頭/km2)を数えた。1年前のセンサス以降65頭を間引いているので、間引きがなければ最低でも269頭(52頭/ km2)が維持されていたことになる。秋期には100メス当たりの子の数は52頭と高い値となった。 2.餌の利用可能量と土地利用の年代的変化:ハンゴンソウの利用について、自動撮影の頻度と葉の消失過程から、落葉前の採食頻度は低いと考えられた。落葉の採食量調査から、落葉は現在においても主要な餌資源となっていると考えられた。 3.落葉の評価:落葉の粗蛋白質は夏季には高く、成長要求量を超え、秋季と冬季に低下するが維持要求量は上回っている。一方、エネルギー量については大きな季節変化はみられず、越冬のためのエネルギー摂取が可能である。以上から、落葉のみでは体の小型化や繁殖力の低下をもたらすが、生命・体重の維持を可能にする代替餌として重要であり、栄養学的環境収容力の観点から高密度を維持することが可能な餌資源であることが明かになった。 4.生活史特性:2009年~2012年に電波発信器を装着した64頭(メス58頭、オス6頭)のうち20頭(メス18頭、オス2頭)の死亡が確認された。膣挿入型電波発信器によって5頭の出産日が6月16日~7月4日と高質個体群に比べて2~4週間程度遅く、新生子体重も高質個体群に比べても軽いことが明らかになった。 5.爆発的増加と崩壊に与える個体群パラメータの検討:年齢と死亡日が既知の標本からコホートを復元し、増加率の変動に寄与するパラメータの定量化を行ったところ、増加にはメスが崩壊にはオスと子の生存が関与していた。群れの崩壊後に初回よりも高いピークに達した過去に例をみない中島のシカの個体群動態は、崩壊後に高齢メスが多く、生存率が高く維持されたこと、暖冬が続いたために死亡が生じなかったことがあげられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(28 results)