2009 Fiscal Year Annual Research Report
創薬を志向した生体機能分子の創生研究:独創的有機合成によるアプローチ
Project/Area Number |
21249002
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北 泰行 Ritsumeikan University, 薬学部, 教授 (00028862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 寿文 立命館大学, 薬学部, 助教 (50423116)
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (10173410)
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Keywords | 創薬合成 / 生物活性物質 / 生体機能分子 / 環境調和 / 立体選択的合成 / 高活性化学種 / 有機反応剤 / 有機触媒 |
Research Abstract |
本研究計画の初年度は、我々が培ってきた一般性の高いグリーンサステイナブル合成技術をより広視野な観点で生物活性天然物や生体機能物質へと応用することを目的に、以下の基礎および応用研究を行った。 1.医薬品開発研究ではリード化合物とその類縁体を網羅的に入手し評価できる新しい合成法の開発が常に望まれている。興味深い生物活性を有し複雑な高次構造を有する天然物の合成に応用し得る種々の新規方法論を基に、創薬リード化合物として有望な数種のキノンースピロ型の生物活性アルカロイドやマクロラクトン類の鍵中間体の精密合成と類縁体の合成に応用し、生物活性評価を行った。 2.不斉炭素の効果的な新規構築法の開発は、医薬品開発の合成過程において重要である。今回我々は、不斉補助基としてヒドロベンゾインユニットを用い、キラルオキソニウムイオン中間体を利用した最初の不斉識別、その後の変換反応での位置、官能基、並びに立体選択性の工程での不斉合成を行った。本法の応用として、細胞の増殖や生存に関与するタンパク質複合体である、NF-κBの阻害活性を有する天然物(+)-cryptocaryoneの初めての不斉全合成を達成した。 3.複雑な構造を有するステロイド類やアルカロイド類の合成に適した、創薬リード化合物の合成に役立つ新規ジエノンーフェノール型転位反応を開発した。 4.環境にやさしくサステイナブルな合成的方法論として、毒性が低く資源としても豊富なヨウ素の未知の反応性を開拓し、医薬品関連物質や有機材料分子の骨格として極めて重要なビアリール類の合成へと応用した。本法およびその関連反応は、リサイクル、触媒、不斉合成への応用も可能であることがわかり、今や最先端のレアメタルと競争しうる環境にやさしいサステイナブルな独創的手法へと発展しつつある。
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Research Products
(65 results)