2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21254005
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Section | 海外学術 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳永 朋祥 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (70237072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 浩之 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00302779)
知花 武佳 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10372400)
福士 謙介 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授 (30282114)
多部田 茂 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40262406)
原口 強 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372852)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 水資源 / 流域圏 / 水循環 / 流域管理 / 環境質定量化・予測 |
Research Abstract |
カンボジア西部のバッタンバン地域において乾季にボーリング掘削を行い、50m弱のコア取得を行うとともに、地質環境に関する検討を行った。その結果に基づき、新たな調査の必要性を見出し、来年度に向けて電気探査による地下情報取得を行うための準備を進めた。 また、バッタンバン市を流れるサンカー川を対象として調査を行った結果を、シエムリアップ川の調査結果と合わせて検討し、以下の成果を得た。 シェムリアップ川の流量は上流の直線化された区間ではほぼ一定であったが、勾配が変化する地点で流量が急に増加し、その後は漸増する傾向にあった。一方、サンカー川の流量は上流から下流までほぼ一定であったが、市街地の一箇所でいったん増加した後再び減少するという傾向が二度にわたって確認された。 シェムリアップ川では河岸材料の代表粒径(60%通過粒径)は0.2~0.6mmであるのに対し、河床材料の代表粒径は最上流部で5mm程度であったのを除くと0.4~1.1mmであり、全体的に大きかった.川幅と河道深さの比は4~5と安定していたが、勾配が変化する地点でのみこの比は20~30と大きく広がり,河床材料と河岸材料は同じサイズであった.一方、サンカー川では河岸材料の代表粒径は0.02~0.03mmであり、ほぼ一定であった。その一方で、河床材料の代表粒径は0.002~0.009mmと一桁小さく、場所によってばらつきがあった。川幅と河道深さの比は12~14と安定しており、ほぼ安定した形状を有していたが、市街地付近では河岸侵食が認められた。 シェムリアップ川は透水性が高く地下水は勾配変化点で河川へ流入し、ここで川幅水深比が大きくなり河道も不安定になっている。またこれより下流の緩勾配区間では徐々に地下水が流出していることも見て取れる。一方、河岸がシルト,河床が粘土からなるサンカー川は透水性が高く地下水と河川水の交換は限定的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、カンボジア側研究機関であるアンコール地域遺跡保護管理機構(APSARA機構)との連携が大幅に遅れたため、達成度がやや遅れているという評価を行った。今年度は、新たにバッタンバン地域で研究を着実に実施し、さらに、その結果をそれまでのシエムリアップ川での結果と比較することが可能となっており、研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から、人的な影響をそれほど強く受けていないと判断されるカンボジア西部のバッタンバン地域での調査を開始し、データ取得を進めつつある。今後は、今年度の成果に基づき、さらに地下の情報を得るための調査を進捗させる予定である。具体的には、電気探査法による地下比抵抗二次元分布の評価等を行い、さらに理解を深めていく。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] An overview: special issue on “The Slow Subsurface Fluid Flow Processes (part II): Field Examples and Laboratory Experiments”2013
Author(s)
Tokunaga, T., Sano, O., Hoshi, K., Honda, H., Inazaki, T., Sorai, M., Matsuoka, T., Yasuhara, M. and Koide, H.
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Journal Title
地学雑誌
Volume: 122
Pages: 1-7
DOI
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