Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 清次 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (40264965)
阿部 邦美 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 准教授 (10311086)
伊藤 祥司 東京大学, 情報基盤センター, 特任准教授 (70333482)
岡本 吉史 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40415112)
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Research Abstract |
最終年度は,研究者間での研究成果の相互利用を念頭に置き,前年度までの個々の研究内容に対する完成度を高める方向で研究を実施した. ●アプリケーショングループ:電磁界数値解析に関する研究では,設計領域の解像度を段階的に向上させる多段式進化型アルゴリズムを開発し,それをPCクラスタへ並列実装した.また,諸現象解析で必要な高精度計算手法や計算効率に関しては,基盤ミドルウェア(MWI)グループでの開発と連携した. ●求解アルゴリズムグループ:IDR(s)法とGPBiCG法の長所を結び付け,丸め誤差の影響を数学的にコントロールし,高速でロバストなアルゴリズムを開発した.並列化では,行列ベクトル積のプロセッサー均等配分に注目し,行列の非零要素のブロック単位の均等法を考案した.大規模計算向け固有値ソルバーの性能を測定し,性能向上の問題点をキャッシュ,メモリ,マルチコアの観点から明らかにした.更に,MWIグループで構築した求解アルゴリズムの求解品質分析・評価ツールを用い,前処理付きアルゴリズムの改善を行った. ●基盤ミドルウェア(MWI)グループ:固有値問題求解における性能を決定するベクトルの分散配置方式の研究,疎行列-ベクトル積での疎行列データ構造の実行時変換方式の研究を行った.また,任意高精度線形代数演算パッケージMPACKを開発し,ルーチンやライブラリ追加と,GPUも用いて行列-行列演算を理論性能値のほぼ限界まで最適化し,オープンソースとして公開した.ジョブスケジューラによる効率的な計算機資源活用やユーザビリティ向上の研究も行った。 2011年9月に外部非公開にて大規模計算コロキウムを開催し,互いの研究成果に対する評価を行った.その際に,線形計算分野と電磁界解析分野における高速解法の研究者も招待し,専門的な観点での意見交換も行った.更に,一般公開のワークショップも開催し,構成メンバー全員の進捗報告を実施すると共に,外部の方々も交え意見交換した.
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