2012 Fiscal Year Annual Research Report
3次元有効視野計測法の開発と、それに基づく人間の視空間情報収集特性の加齢変化
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21300085
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
斎田 真也 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (90357054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 健司 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 講師 (10345374)
和氣 典二 神奈川大学, 視科学研究所, 研究所客員教授 (20125818)
氏家 弘裕 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (40262315)
和氣 洋美 神奈川大学, 視科学研究所, 研究所客員教授 (80122951)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 有効視野 / 3次元空間 / 制限視野法 / 運動視差 / ドライビングシュミレータ |
Research Abstract |
3次元有効視野の計測方法の確立のために、3次元方向に移動する物体(球)の湧き出し範囲が広域(左右75°)と狭域(左右37.5°)の比較において、球の移動速度、湧き出し頻度等をパラメータに移動球の捕獲特性を検討した。その結果、刺激湧き出し範囲が広くても狭くても、捕獲する左右上下の範囲は、一定であり、沸き出し頻度が早くなるとより手前で捕獲していた。今回の実験条件では3次元捕獲特性は円筒形であることが示唆された。 運動視差による奥行き知覚の距離情報に基づくスケーリングが、どのような要因に影響を受けるか、見かけのサイズを一定としたまま、視距離(57, 114, 228 cm)と奥行き変化の空間周波数(0.125, 0.25, 0.5 cpd)を独立変数として検討した。熟練した観察者により実験を行ったところ、奥行き変化の空間周波数が0.125cpdでは、奥行きの知覚量がシミュレート量と視距離を介してよく対応したが、空間周波数が0.25, 0.5cpdと高くなるほど、知覚量がシミュレート量よりも明らかに減少する傾向が見られた。この結果は、運動視差による奥行き知覚の距離情報に基づくスケーリングが、空間周波数の影響を受けることを示すものである。 経験の相違が有効視野にどのように影響するのか定量的に検討するために、速読課題において速読練習を続けた際の有効視野特性を継続的に測定した結果、必ずしも有効視野と読書速度は比例せず、個々人によって読書速度と相関を示す要因が異なることが明らかとなった。3次元有効視野の測定時に考慮すべき問題である立体映像観察時の疲労に関しては、視覚課題により能動的・インタラクティブに取組むことで、受動的に観察した場合に比べて視覚疲労を抑えられる可能性が見出された。また、頭部運動が疲労と強く相関していることも新たに示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5年間の研究計画は1)2次元の制限視野に存在する欠点を解決する。2)運動視差情報も加味した立体表示装置を構築する。3)それらを元に3次元制限視野法による3次元有効視野の計測方法を確立する。4)有効性を検証するために、車の運転時をシミュレートした場面で実証実験を行う、の4項目である。 1)~2)までの課題の遂行は完了しており、本年度はその成果として読書時の有効視野に関する論文(Kansei Engnieering International)及び3次元空間内移動間隔に関する論文(Optical Review)などを公表した。3)の課題については成果蓄積に努めており、かつ4)の課題に関しては、予備実験も完了していることから、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元提示が可能で、しかも制限視野を頭部運動に連動して移動させることができるドライビングシミュレータを用いて、奥行き方向にも制限をつけた条件で運転効率と安全性に関するデーターの収集に努める。また3次元移動物体の捕獲実験を引き続き行い基礎データの蓄積にも努める。 これまでに明らかにされた両眼立体視や運動視差による奥行き知覚の視距離に伴うスケーリングに対する空間周波数などの空間特性による影響を、さらに視野サイズとの関係において明確にする。またこれらの知見を基盤に、自動車運転環境などでの3次元有効視野特性に対して、奥行き方向の視認範囲(3次元有効視野)と運転パフォーマンスとの関係について、簡易ドラインビングシミュレータを用いた実験により明らかにする。 立体映像視聴時に生じる視覚疲労の原因を解明し、より疲労の少ない立体映像を呈示することは、三次元空間の視覚認知特性を明らかにする上でも重要な課題である。しかし、従来の視覚疲労に関する研究は受動的に立体映像を視聴した条件が多く、視覚実験のように能動的・インタラクティブに視聴した場合の影響については不明な点が多い。そこで、立体映像への能動性などがどのように影響を及ぼすのかについて、様々な観点から実験・検討を行う。
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Research Products
(13 results)