2009 Fiscal Year Annual Research Report
検索ログ解析と認知的研究による利用者の探索的な情報検索行動の研究
Project/Area Number |
21300096
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
神門 典子 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (80270445)
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Keywords | 情報図書館学 / 認知科学 / 探索的研究 / 探索行動 / 検索ログ |
Research Abstract |
本課題の目的は、利用者端末側の操作ログ、詳細な利用者認知実験データ、サーバ側の検索ログなど、詳細さと量が異なる利用者行動記録を収集し、相互に関連付けて分析することにより、検索過程における利用者の認知過程と行動をより深く、より広く理解し、モデル化することである。平成21年度は以下について研究した。 (1) 詳細な認知実験:検索実験、視線計測、操作ログ、In-Depth Interviewを組み合わせた詳細な検索実験を行った。発話プロトコルやインタビューなどの非定形言語データに対する「絶えざる比較法」によって、探索における、探索戦略、学習、知識変容、知識利用などの過程を分析した。視線計測データと操作ログを関連付け、Web探索行動カテゴリ、Scanpathの可視化、Link Depthとその可視化などを用いて分析し、探索的検索の過程とそれに対する探索の目的やタスクの種類、背景知識などによる差異を明らかにした。 (2) 端末側ログ収集:本課題で提案する分析手法に必要な詳細なデータを取得するロギングシステムを開発した。それを用い、75名の実験参加者に対し、特定の複数の探索タスクについて、探索過程の端末側ログデータを取得し、探索による知識構造の変化を捉えるために、教育分野で用いられているConcept Mapを援用した手法を提案し、探索の前後における共通のノードやリンクの数やノードラベル、それらの増減などの量的な分析を行い、探索的検索過程の評価手法としての妥当性を検討した。探索ログ、タスクの種類や行動プランとの関係、Concept Mapの質的な分析は今後の課題である。 (3) サーバ側ログの分析: LogCLEF Workshop 2010に参加し、参加者に提供される共通のサーバ側ログデータセットを用いて、探索プロセスに着目して利用者の行動の分析に着手した.
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Research Products
(8 results)