2009 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエキノコ体の嗅覚連合学習に不可欠な嗅覚以外の感覚情報伝達経路の解析
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21300117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 啓 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (00311192)
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Keywords | ショウジョウバエ / 嗅覚系 / 味覚系 / 投射神経 / 情報の統合 / 学習記憶 / GAL4エンハンサートラップ / LexAエンハンサートラップ |
Research Abstract |
キノコ体と外部を結ぶ神経はキノコ体内の狭い範囲と、キノコ体外の狭い範囲に神経突起を広げて、その間を特異的に接続している。これまで我々の研究では、酵母の転写調節因子GAL4遺伝子をゲノムの様々な場所に挿入したGAL4エンハンサートラップ系統を大量に用意して、様々な神経の特異的なラベルを行なってきた。キノコ体の入出力神経が広がるキノコ体接続領域や、そこに情報を送る起点となる味覚・聴覚・重力等の低次中枢には、明瞭な区画構造が存在しない。従って、これらの領域の神経とその間を結ぶ介在神経との空間的相関を解析するには、GAL4系統と何らかの他の細胞ラベル法を組み合わせ、2種の神経を染め分けて解析する必要がある。そこでGAL4系統に加えて新たな細胞ラベル法である大腸菌の転写調節因子LexAを用いたエンハンサートラップ系統を使って、脳の神経を二重にラベルした。作成したLexA系統のうち約100系統について発現パターンの画像データベースを構築した。さらに、味覚一次中枢において味覚感覚神経をLexA系統とGAL4系統のさまざまな組み合わせでラベルし、同定された各種の感覚神経の投射パターンを詳細に解析した。これによって、味覚一次中枢の中の特異的な部分に各種の味覚情報が投射する情況を示すマップを、全動物種の中で初めて確立した。また、この情報を用いて味覚一次中枢から味覚情報を脳の高次領域に送る二次神経をラベルする系統のスクリーニングを開始した。
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Research Products
(3 results)