2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300118
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏目 里恵 新潟大学, 脳研究所, 技術職員 (60467082)
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Keywords | ノックアウトマウス / 発生工学 / 神経科学 / グルタミン酸受容体 / シナプス伝達 / 神経脊髄炎 |
Research Abstract |
本研究の目的は、グルタミン酸受容体の発現と安定性、さらにシナプスへの移行と除去が細胞の種類や脳部位により異なった様式で調節され、このことが単純な入力を多様な出力に変換し、複雑な神経機能発現の基礎課程となるという作業仮説を証明することである。このために、グルタミン酸受容体及びその補助サブユニットTARP分子群のfloxedマウスと部位選択的にCreリコンビネースを発現するドライバーマウスを交配して作出した変異マウスを用いて、脳の様々な部位での各グルタミン酸受容体サブユニットの動態、受容体活性、個体表現型を多角的に解析する。また、受容体の動態変化が惹起する個体の機能変化を神経疾患と関連させて解析する。これまでにCreリコンビナーゼを発現する新規マウスの開発を進め、ドーパミン受容体D1R及びD2R遺伝子プロモーターで駆動するCreマウスをそれぞれ樹立した。また、NMDA型受容体サブユニットfloxedマウスを用いて、発達期神経細胞ではNMDA型受容体サブユニットの種類によりAMPA型受容体が異なった制御を受けることをシングル細胞レベルで明らかにした。さらに、定量的ウエスタンブロット法により、ほぼ全てのグルタミン酸受容体各サブユニットの量を測定した。その結果、AMPA型受容体に比してNMDA型サブユニットの量が少ないことが明らかになった。また、カイニン酸型受容体の量は、さらに一桁低いものであった。一方、小脳プルキンエ細胞に特異的だと考えられてきたGluD2サブユニットが、カイニン酸受容体と同程度に海馬や大脳皮質にも存在することが明らかになった。ヒト神経脊髄炎の中にNMDA型受容体サブユニットに対する自己抗体が原因であるものが存在することを新たなスクリーニング法により見出した。
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Research Products
(19 results)