2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300124
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
平野 伸二 高知大学, 教育研究部・医療学系, 准教授 (80222248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由利 和也 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (10220534)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 発生分化 / 神経回路 / カドヘリン / 細胞接着 |
Research Abstract |
プロトカドヘリン9についてモノクローナル抗体を用いて発生過程のマウスの神経系における分布を詳細に調べた。その結果この分子は視床、前庭神経核、上オリーブ、網膜などの様々な神経核や脳梁や内側縦束などの線維で分布していることが明らかになった。特に、嗅覚系や前庭系などの神経回路に属する多くの神経核や神経束があることがわかった。また、嗅球ではOLプロトカドヘリンとプロトカドヘリンがそれぞれ異なる糸球体のセットに分布していることが明らかになった。これらのことからプロトカドヘリン9が神経回路形成に関与していること、また他のプロトカドヘリンとは差次的に分布して機能していることが示唆された。これらの結果ついては論文にまとめ、投稿した。審査の結果、現在修正を行っている段階である。またこの分子のノックアウトマウスの繁殖ができたので現在解析を進めている。しかし、今のところ大きな神経回路の異常は見つかってはいない。今後は行動解析などを進める予定である。 プロトカドヘリン9とシナプスとの関係については、内耳などのシナプスでの局在を解析しているが、シナプシンとはごく一部しか共局在しないことがわかった。また、他のプロトカドヘリンについて解析をするために、プロトカドヘリン1と11について、ノックアウトマウスの作製を行った。現在表現型の解析をするためにもどし交配と繁殖を始めたところである。 本研究で得られた結果は神経回路形成機構を明らかにするうえで基礎的な知見となるとともに、作製された抗体やマウスは今後の解析に役立つ重要な材料となることが期待される。
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