2012 Fiscal Year Annual Research Report
我国で発見された新規非肥2型糖尿病マウスによる疾患モデル群樹立と原因遺伝子の特定
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21300156
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
松島 芳文 埼玉県立がんセンター, 臨床腫瘍研究所, 専門員 (10094955)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / 新生児糖尿病 / 自然発症 / 非肥満 / コンジェニック / 糖尿病性腎症 / 疾患モデル / 高脂血症併発モデル |
Research Abstract |
本糖尿病マウスは、非肥満性で常染色体性優性遺伝を示す自然発症の新規疾患モデルマウスである。ヘテロ接合体では2型糖尿病を呈し、ホモ接合体では重篤な高血糖により生後4日で死に至る新生児糖尿病を示す特異な糖尿病であることがわかった。本研究では、従来多因子疾患で解析が困難とされていた糖尿病の修飾遺伝子を明らかにするためのモデルを目指し、変異遺伝子を遺伝的背景の異なる10系統の近交系に導入したコンジェニック糖尿病、4系統のアポE欠損高脂血症コンジェニックマウスに導入した高脂血症併発糖尿病モデルセットの樹立化を行って来た。コンジェニック化の状況は、A/J;N4,AKR;N15,KOR1;N6,JF1;N20,BALB/c;N19,C.SHL;N19,C3H/He;N12,C3.SHL;N12,NC/Nga;N22,C57BL/6;N16,B6.SHL;N16,DBA/2;N14,D2.SHL;N14およびNC/Jic;N16F5である。これらのコンジェニック糖尿病モデルは、各系統間で尿糖の出現週齢、血糖値の高低などの表現型に著明な差異が認められ、個別医療に対応した新規モデルとして有用である。また、これまでに糖尿病性腎症モデルの報告は少なく研究者から渇望されていたが、C57BL/6系モデルは腎臓の病理学的所見から、糖尿病性腎症の新規モデルである可能性が示唆された。 原因遺伝子の染色体マッピングは、マウス第8染色体のセントロメア近傍に候補領域絞り込み、DNAシークエンスおよび次世代シークエンスを行った。その結果については、論文報告する。
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