2009 Fiscal Year Annual Research Report
ACTN3遺伝子型からみた骨格筋の適応性に関する研究
Project/Area Number |
21300238
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
内藤 久士 Juntendo University, スポーツ健康科学部, 教授 (70188861)
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Keywords | 遺伝子 / 競技力 / 骨格筋 / 筋線維組成 / ACTN3 |
Research Abstract |
競技パフォーマンスに関連付けられる候補遺伝子の一つとしてとして、骨格筋内のαアクチニン3タンパク質の発現調節に関わるACTN3遺伝子が注目されている。本年度は、ACTN3遺伝子型の違いが運動・トレーニングに対する骨格筋の応答性・適応性に影響を及ぼすか否かについて明らかにするために、日本における一般人およびスポーツ選手のACTN3遺伝子型分布を横断的に比較すること、また、ACTN3遺伝子型と筋線維組成との関連性について検討することを目的とした。なお、今回対象としたスポーツ選手(陸上長距離種目、短距離種目、競泳選手、サッカー選手、自転車競技)は、大学運動部に所属する学生であった。ACTN3遺伝子型(RR、RX、XX)は、口腔粘膜または血液サンプルを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)TaqManプローブ法によって決定した。また、筋線維組成は、外側広筋から得た筋生検サンプルを一次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によりミオシン重鎖組成(TypeI、IIa、IIx)として分離し算出した。その結果、本研究の全被験者(n=452)におけるRR、RX、XXの比率は、およそ1:2:1であることが確認された。また、競技種目ごとにACTN3遺伝子型の分布を見た場合にも分布に大きな偏りは見られず、競技種目にかかわらずほぼ1:2:1の分布をしていた。男性被験者(n=12)のACTN3遺伝子型ごとのTypeIIミオシン重鎖組成(TypeIIa+IIx)は、RR(83%)>RX(61%)>XX(29%%)の順に高く、ACTN3遺伝子型と筋線維組成との間には何らかの関連性が見られる可能性が示唆された。今後さらに被験者の数を増やすとともに、特にスポーツ選手については競技レベルとの関係性についても検討を加えていく必要性があると思われる。
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Research Products
(3 results)