2010 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴法による客観的尺度を用いた新しい筋コンディション評価方法の開発と応用
Project/Area Number |
21300241
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
高橋 英幸 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (00292540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 貴 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (60169753)
本間 俊行 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (90392703)
奥脇 透 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (20274871)
大岩 奈青 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (50443247)
俵 紀行 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (30344279)
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Keywords | 磁気共鳴映像法 / 磁気共鳴分光法 / 骨格筋 / コンディション / 筋グリコーゲン / 有酸素的能力 / 無酸素的能力 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度から繰り越しとなった高磁場(3T)MR装置を用いた筋グリコーゲン測定方法の確立と応用可能性、および、総合的な筋代謝能評価法に関する検討を行った。新たに導入した3T-MR装置を用いた炭素の磁気共鳴分光法(^<13>C MRS)を可能とするために、新たに、^<13>C MRS用サーフェイスコイルを作成してその性能評価を行うとともに、標準溶液、ボランティアを対象として最適な測定条件の検討を行った。さらに、^<13>C安定同位体である酢酸ナトリウム(1-^<13>C)を応用することにより、個人間や測定間でのコイル負荷の違いを補正できることが示された。運動による筋グリコーゲン含有量変化を^<13>C MRSによりどの程度評価可能なのかを検討するために、健常男性ボランティアを対象として、2時間に及ぶ高負荷と低負荷を繰り返す自転車運動を行わせ、その前後で、^<13>C MRSを用いた大腿四頭筋における筋グリコーゲン含有量の測定を行った。その結果、若干の筋グリコーゲンの低下を描出することができたが、先行研究で報告されているような大きな変化を観察することができなかった。以上の結果は、^<13>C MRSを用いた筋グリコーゲン含有量の視点からの筋コンディション評価の可能性を示してはいるが、運動の種類や強度、対象とする筋の種類の違いによる影響に関しては、さらなる検討が必要であることを示唆している。総合的な筋代謝評価法に関する研究では、最大等尺性運動と中強度等張性運動を組み合わせ、その運動中および運動後に、リン(^<31>P)MRSによる筋エネルギー代謝動態と近赤外分光法による筋酸素化動態を行うことにより、筋の有酸素的および無酸素的能力を非侵襲的に評価できるモデルを構築した。
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