2010 Fiscal Year Annual Research Report
体重のセットポイントに及ぼす幼若齢期肥満モデルラットの運動と食事制限の比較
Project/Area Number |
21300256
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 政登 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10110925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60220224)
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Keywords | 体重のセットポイント / 幼若齢期 / 成長~成熟期 / 自発走運動 / 給餌制限 / 動物用CT測定装置 / 内臟脂肪重量 / 除脂肪重量 / 血清レプチン濃度 |
Research Abstract |
【研究目的】5~20週齢の幼若齢期に、運動および給餌制限によって体重増加を抑制し、それらの介入解除直後から45週齢に到るまで体重、体組成、血糖、血清レプチン、インスリン濃度などの推移を観察し、さらに46週齢時に解剖し、血清脂質濃度、各内臓脂肪や骨格筋重量などを測定し、運動と給餌制限の影響を比較した。【研究方法】肥満モデルOLETFラットを、幼若齢期間(5~20週齢)、自発走運動(n=7)または給餌制限(n=8)を行い、その後25~45週齡時まで安静を維持した場合の体重、内臓および皮下脂肪、除脂肪体重(小動物用CT測定装置)、血糖、血清レプチン、インスリン濃度を概ね7週間毎に観察し、全実験期間中(5~45週間)安静を維持したOLETFラット(n=8)および正常対照LETOラット群(n=8)と比較した。【研究結果】5~20週齢の介入期間中、運動群と給餌制限群の体重推移は全く同じであったが、運動群の内臓脂肪重量が低く、除脂肪量(筋肉量)は有意に高かった。介入解除直後から給餌制限群の体重が漸増し、介入解除5週後の25週齢時以降安静対照群との間の有意差が消失した。一方、運動群は40週齡時まで有意な体重低値が持続し、45週齡時まで内臓脂肪量が少なく、除脂肪量が有意な高値を示した。介入時および介入解除後も運動群の血糖、FFA、インスリンおよび血清レプチン濃度が給餌制限群に比較し有意な低値で推移した。【結論】幼若齢期の運動による体重抑制効果は成長~成熟期から壮年期相当期まで持続したが、給餌制限では介入解除後速やかに消失した。しかし、幼若齢期の運動によって特異的に獲得された"体重のセットポイント決定要因"は何なのか、それがどのような機序によって体重や内臓脂肪量増加を抑制し、筋肉量を高く維持したのかは明らかにされなかった。
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