2011 Fiscal Year Annual Research Report
体重のセットポイントに及ぼす幼若齢期肥満モデルラットの運動と食事制限の比較
Project/Area Number |
21300256
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 政登 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10110925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60220224)
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Keywords | 幼若齢 / 自発運動 / 給餌制限 / 除脂肪量 / 内臓脂肪量 / エネルギー代謝 / 血清脂質 / 血清レプチン |
Research Abstract |
【21~22年度までの研究結果の総括】 肥満・糖尿病モデルOLETFラットを用い、ヒト幼若齢~青年期相当期(5~20週齢時)に自発運動をさせ、その後の青~壮年期相当期(21~45週齢時)まで体重変化を観察し、給餌制限により体重制限した場合と比較した結果、運動群の体重は40週齢時まで有意な低値で推移したが、給餌制限群の体重は介入解除後速やかに増加し、安静群と差がなくなった。運動群の実験終了後の内臓脂肪量が少なく、血清中性脂肪、血糖、インスリンおよびレプチン濃度なども有意な低値であった。 【23年度研究結果および21~23年度の研究総括】 23年度は、(1)5~45週齢時の間体脂肪量および除脂肪量(LBM)変化を、46週齢時には大腿四頭筋のエネルギー代謝関連酵素活性(CS,SDH,PFK)を測定し、幼若齢~青年期相当期の運動、給餌制限および安静維持の3群で比較した。また、(2)安静時エネルギー消費量を測定し、LBMとエネルギー消費量との関連を調べた。 【研究結果】 幼若齢期運動群は介入解除後もLBM(筋肉量)を高く維持されていた。また、運動群の大腿四頭筋酵素活性が有意な高値であり、LBMとエネルギー代謝量との間にはr=0.880(p<0.001)の高い相関係数が示された。幼若齢期の運動介入解除後の体重増加抑制は骨格筋量の維持およびエネルギー代謝亢進に起因した結果と思われる。 【結論】 幼若齢~青年期相当期の運動介入解除後の体重増加抑制は骨格筋量の増加および骨格筋の解糖系および呼吸系酵素活性亢進に起因したエネルギー代謝亢進によることが明らかにされ、この効果は給餌制限では認められなかった。 本研究の結果から、近年の先進諸国に於ける青~壮年期の肥満者やメタボリック症候群罹患者の増加は、幼少期の身体不活動が強く関与している事が示唆される。
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