2009 Fiscal Year Annual Research Report
CoP-AAEの構築による心と体を育む動物介在教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21300262
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷田 創 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (20197528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七木田 敦 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60252821)
望月 悦子 福山平成大学, 福祉健康学部, 准教授 (80389080)
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Keywords | 動物介在教育 / 就学前教育 / 幼児 / スウェーデン |
Research Abstract |
スウェーデンは、国土の73.5%が森林に覆われた人口935万人の福祉国であり、人々と自然との共生は国家の理念として古くから位置付けられている。もちろん、この理念は就学前教育においても教育プログラムの中核に位置づけられており、自然は基よりそこに生きる動物を介在させた教育についても重視されている。このような就学前教育において動物を介在させる教育、いわゆる「動物介在教育」は、わが国においても、子ども達の道徳的、精神的、さらには、人格的な成長を養うという点において長年重視されており、需要の高い教育プログラムの一つとなっている。本調査は、これらわが国の動物介在教育に対して、先進的な取り組みを行っているスウェーデンの実践から新たな知見を得ることを目的に実地調査を行うに至った。本調査で訪れた保育施設は、豊かな自然の中で子ども達が多くの動物や昆虫と触れ合っている様子が見受けられた。中でも注目したいのは、これらすべての過程においては、動物と子どもとの2者間の関係のみならず、これらの関係に自然を加えることで3者間の関係からこの営みがとらえられていたということである。 わが国の就学前教育における「動物介在教育」においては、子どもと動物との2者間の関係に焦点が当てられるのが一般的であり、その背景にある自然についてはこれまであまり焦点が当てられてはこなかった。この点に対して、スウェーデンの動物介在教育はわが国に対して新たな視点を与え得るものになると考える。今後、わが国の動物介在教育における実態をより詳しく分析すると共に、従来のプログラムに「自然」という観点をいかに内包させていくのかについての課題を得た。
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