2010 Fiscal Year Annual Research Report
博物館における鑑賞と鑑賞支援における社会学的・工学的ヒューマンインタフェース研究
Project/Area Number |
21300316
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
山崎 晶子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 義徳 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10252595)
小林 貴訓 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20466692)
小野 哲雄 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40343389)
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Keywords | 社会学 / 相互行為分析 / 教育工学 / ミュージアム / 鑑賞支援 / ヒューマンインタフェース / エスノメソドロジー |
Research Abstract |
本研究は、ミュージアムにおける鑑賞者とガイド、鑑賞者同士の鑑賞の相互行為としてのありかたを社会学的に分析し、その分析結果からロボットなどを用いてミュージアムにおいて適切な鑑賞支援をすることを目的としている。そのために、1)鑑賞者と解説者の相互行為において言語的行為と身体的行為の協調のありかた、2)また日本のみならず、多文化的な状況におけるお互いの協調のありかた、3)そして熟達したガイドの観客への解説の社会学的分析を必要としている。 このような鑑賞の社会学的分析に基づいて、社会学と工学の協調に基づいた適切な鑑賞支援を行っている。本年度は、二つの観点に基づいて研究を行った。一つは、熟達したガイドがどのように多人数の観客を引きつけるかという問題である。またもう一方は、多文化的状況において、どのように鑑賞がなされるかということである。そのために、日系アメリカ人や日系カナダ人の解説者が鑑賞者に解説を行う場面を撮影した。 平成22年度には、鑑賞者と解説者の相互行為における言語的行為と身体的行為の協調のありかたにかんして、重要な成果を出版した。冊子体のJournal of pragmaticsにおいて刊行した論文において、鑑賞者とガイドの鑑賞場面において、どのようなインタラクションが行われるかということを詳細に観察し分析を行った。そこで観察された、言語的行為と身体的行為の協調のありかたに基づいて、開発した鑑賞支援ロボット実験では、この言語的行為と身体的行為の協調を組み込むことによって、鑑賞者はロボットの説明を熱心に聞いた。このように、本研究の重要な課題に対して取り組むことができたことが、本年度の研究の重要な意義である。また、ACMのCommunicationにおいて、読むべき論文として上記の論文が選出された。
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Research Products
(6 results)