2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21300325
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
斎藤 憲 Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 准教授 (10221988)
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Keywords | ギリシャ数学 / エウクレイデス / ユークリッド / アルキメデス / 図版 / 写本の伝承 / 国際研究交流 / アメリカ合衆国:エジプト:フランス:台湾 |
Research Abstract |
図版の計量的情報の記録および図版の再描画を次のとおり行なった.(1)エウクレイデス『原論』第6巻および11-13巻(主要なギリシャ語写本6種の図版を中心に,一部ラテン語写本を含めた).(2)アルキメデス『放物線の求積』(ギリシャ語およびラテン語写本計5種).図版の総数は500-600枚程度である.これらの図版は,整理・点検を経て22年度中に公開する. また図版の情報記録および再描画のプログラムの改良を行ない,特別なコンピュータ環境を要求しないプログラム仕様を実現し,同時に作業者を支援する種々の機能をプログラムに実装した.これによって他の研究者にプログラムを提供することが容易になった. 本研究の主要目的である図版のデータベース化のために不可欠な,図版を構成する図形(線や点)が,命題の中で持つ意味の記録を可能にするためのフォーマットについて検討し,仕様をほぼ確定した.実際の情報記録の作業はこの機能のプログラムへの実装を待って22年度以降に行なう. 8月にハンガリーで開かれた国際学会で研究成果と今後の展望について発表を行なった. 10月に海外研究者2名を招聘し,主に図版の情報記録のフォーマットについて検討を行ない,プログラムの仕様に反映させた.とくに独特の規約をもつ球面幾何学の図版について集中的に検討を行ない,通常の平面・立体幾何の図版とは別の形での再描画を検討していくことになった.また1月にはアラビア数学・中国数学の研究者を招聘し,図版の再現の際の文字コードと文字列の向きの問題について,研究上の必要と技術上の可能性について検討した.
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Research Products
(1 results)