2009 Fiscal Year Annual Research Report
Nanotechnology in the conservation
Project/Area Number |
21300327
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
ANDRAS Morgos Tokyo National University of Fine Arts and Music, 美術研究科, 招聘教授 (50431680)
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Keywords | ナノ材料 / 脱酸性処理 / 強化剤 / 保存 |
Research Abstract |
本研究では水酸化カルシウム(Ca(OH)_2)ナノ粒子の合成と、このナノ粒子の楮紙および雁皮紙の脱酸性処理への応用およびモルタル漆喰および煉瓦の強化への応用を目指す。紙の場合には長期間の劣化処理とシートおよび大量脱酸性処理の試行を含む。モルタル漆喰および煉瓦の強化は伝統的な強化剤とその複合処理の比較を含み、劣化試験による適合性研究も行う。以上の研究から、水酸化カルシウムナノ粒子の文化財への応用を図ることを目的とする。 本年度は、イタリア、フィレンチェのコロイドおよび界面科学センターの研究者と現地あるいは他の学会の折に、ナノ粒子の合成方法に関して協議を行った上で、研究に必要なCa(OH)_2ナノ粒子の合成を開始した。はじめに合成に必要な混合機遠心分離器などの機材および各種材料に関して詳細な調査を行った後に、購入した。現在、合成したナノ粒子の物性を測定しながら、より望ましい製造方法を検討中である。 また実際の処理モデルを作成するための基礎的研究として、敦煌莫高窟の調査、和紙製造法の調査を実施した。紙に関しては、機械漉の楮紙および雁皮紙を選択し、これらにドウサ引きを行い、酸性紙モデルを作成した。
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Research Products
(4 results)