2009 Fiscal Year Annual Research Report
プラント・オパール中の炭素による生産遺構の年代測定法の確立
Project/Area Number |
21300330
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
宇田津 徹朗 University of Miyazaki, 農学部, 准教授 (00253807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
田崎 博之 愛媛大学, 法文学部, 教授 (30155064)
外山 秀一 皇學館大学, 文学部, 教授 (50247756)
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Keywords | 生産遺構年代 / 年代測定 / プラント・オパール / 生産遺構立地 / AMS / 微量炭素 |
Research Abstract |
本研究は、土壌から安定的に得られる作物由来のプラント・オパールに含まれる炭素を利用して、炭化種子などの年代決定試料に乏しい焼畑などの生産遺構の年代を測定する手法の確立と普及を目指すものである。 本年度は研究初年度であることから、土壌に応じたプラント・オパール抽出方法の検討と国内施設では初めてとなるプラント・オパール中の炭素の抽出と年代測定に取り組んだ。以下、本年度の活動の概要と結果をまとめる。 1) 土壌に応じたプラント・オパール抽出方法の検討 生産遺構および自然堆積(テフラ下層)の土壌から年代測定に必要となる300mgのプラント・オパールを抽出する方法を検討した。その結果、抽出に最適な水洗篩別、粒径分離および比重分離の組み合わせをほぼ特定することができた。また、抽出実験試料として国内各地(大阪、愛媛、沖縄)の生産遺構土壌の採集を行った。 生産遺構立地の分類とモデル化の検討・堆積層の層相分析については、その基本となる国内の生産遺構調査リストの整備をほぼ終えることができた。 2) プラント・オパール中の炭素の抽出と年代測定の実施 抽出したプラント・オパールおよび各種イネ科植物のプラント・オパールからの炭素炭素の抽出(含むCO_2の抽出テスト)および年代測定について検討を行った。その結果、プラント・オパールからの炭素の抽出については、少量であるが抽出をほぼ確認することができ、その方法に見通しを得ることができた。なお、プラント・オパールからの炭素の抽出事例としては、国内で初のものである。測定については、抽出量が不十分であり実施できなかったため、次年度、さらに検討を進める。
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Research Products
(5 results)