2010 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化に伴う台風強大化が島嶼生態系の機能と生物多様性に及ぼす影響評価
Project/Area Number |
21310025
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
久保田 康裕 琉球大学, 理学部, 准教授 (50295234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 瑞樹 琉球大学, 農学部, 教授 (20222135)
唐澤 重考 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (30448592)
榎木 勉 九州大学, 農学研究科, 准教授 (10305188)
島谷 健一郎 統計数理研究所, 准教授 (70332129)
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Keywords | 亜熱帯林 / 生物多様性 / 生態系機能 / 持続可能性 / 島嶼 |
Research Abstract |
地球温暖化に伴う生態系の応答パターンを定量評価することは、地球環境科学の大きな研究テーマとよっている。したがって、気温上昇に伴う生物の挙動や生物間相互作用の変化を検証する研究は、世界的に数多く行なわれている。しかし、温暖化に付随して生じる台風の頻度や強度の変化が生態系に及ぼす影響については、未だ研究者の関心事となっていない。そこで本研究では、島嶼生態系が自然撹乱・人為撹乱のインパクトを受けた場合に、生物多様性と生態系機能が不可逆的に転移・劣化するメカニズムを解明しようとした。今年度は、島嶼における潜在的な生物多様性のパターン形成のメカニズムを理解するために、既存文献を収集し、東アジア島嶼における植物・動物の種レベルの生物多様性のデータベースを構築した。このデータベースを用いて、島嶼間のフロラの多様性パターンを分類学的側面および系統学的側面から解析し、歴史的過程が各島の植物種の集合パターンに与えた影響を明らかにした。この成果は、国際生物地理学会で発表すると同時に、Journal of Biogeography誌に論文発表した。なお、この結果は、島嶼の生物多様性に対する気候環境変化のインパクト、あるいは森林伐採のような人為インパクトを評価するための基本的な知見となった。これらの生態学的な群集集合パターンの形成機構に基づき、琉球諸島の亜熱帯林に対する台風撹乱の影響と森林伐採が及ぼす影響をシミュレーションモデルで定量した。この成果は、Journal of Forest Researchに論文発表した。
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Research Products
(5 results)