2011 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシンを選択的に吸着する分子インプリントゲルビーズの調製
Project/Area Number |
21310062
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
箕浦 憲彦 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (10358111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相羽 誠一 産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (50344156)
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Keywords | エンドトキシン / 分子インプリント法 / アミノ酸 / トリペプチド / 表面プラズモン共鳴法 / アクリルアミド誘導体 |
Research Abstract |
エンドトキシン認識性インプリントゲルの結合能評価を行うとともに、最終年度であることから、これまでに得られたインプリントゲルの結合能を比較検討した。さらに、実用的観点から、インプリントゲルからなるビーズによる共存物質含有水溶液からのエンドトキシン除去能についても検討したので、報告する。 エンドトキシン認識能向上のために、機能性モノマーとして、前年度に探索したトリペプチド(Lys-Phe-Lys,Lys-Trp-Lys,Lys-Ala-Lys,Lys-Lys-Lys)をアクリルアミドの側鎖に結合させた誘導体を合成する方法を確立した。この誘導体を用いてリピドAをテンプレートとしたインプリントゲルを調製する最適条件と、得られたインプリントゲルのエンドトキシンとの結合能を検討した。その結果、前年度に検討したアミノ酸を側鎖にもつ誘導体を機能性モノマーとして用いた場合と比べて、それらトリペプチドを側鎖にもつ誘導体ではエンドトキシン認識能が向上し、結合定数も増加することが明らかになった。また、このゲルでは、エンドトキシンの吸着と洗浄による再生の操作を繰り返しても、認識能力の低下は少なく、さらに、化学構造が類似した毒性の低いエンドトキシンとの吸着選択性も高く、実用面で有望であることがわかった。 前年度に引き続いて、実用的観点から、トリアジン誘導体を機能性モノマーとして用いて逆相懸濁重合によりエンドトキシンをインプリントしたゲルビーズを調製する最適条件を明らかにした。得られたゲルビーズは、タンパク質の種であるアルブミンが共存してもエンドトキシン認識結合能に影響がみられなかった。 本研究の成果はエンドトキシンの除去にインプリントゲルが利用できる可能性を示唆するものである。
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Research Products
(2 results)