2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21310082
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原口 雅宣 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20198906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 敏弘 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (60274263)
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Keywords | プラズモン導波路 / 金属 / 光共振器 / 光伝搬 / 90度直角曲げ導波路 / バンドパスフィルタ |
Research Abstract |
本研究は,マイクロ・ナノスケールの光配線基盤技術となるプラズモン導波路(PWG : Plasmon Waveguide)技術の確立を目指す研究である.本年度は,幅150nm程度の金属ギャップ構造によるPWGについて,1)10nm程度のギャップ幅変動や欠陥等による導波損失やモード変換特性の解明,2)損失の少ない2波分波構造の提案,3)共振器の試作と特性評価,に取り組んだ. 1) について:数値計算によって,真空波長800nmの光で幅150nmのPWG中にプラズモンを励起すると,途中に10nmのギャップ幅変動や単一の微小凹凸あっても伝搬に与える影響は小さいことがわかった.光伝搬実験でも,それらが伝搬距離に与える影響は5%以下と見積もられた.実用化の観点から,これらの構造誤差は許容されることがわかった. 2) について:数値計算によって,(a)スタブ構造を用い設置面積3μm×3μm以下にて2波分波構造が可能である,(b)導波路の曲げが鋭角でなく丸みを帯びていても反射損失がほぼ0の90度曲げ構造が実現可能である,ことがわかった.銀薄膜上に作製した90度直角曲げ構造の光伝搬実験から,入射エネルギの大半が透過することを確認した.この結果は,PWGを用いると,90曲げにより専有面積の小さい光機能素子や高密度光配線が実現可能であることを示している. 3) について:波長400~950nmの光波長領域で,先鋭化光ファイバを用いて光を端面照射し,PWGデバイス特性を計測する系の構築を行った.銀薄膜上に共振器が組み込まれたPWG構造の試作を行い,その特性評価を行ったところ,設置面積1μm×2μmの構造で,半値幅40nmのバンドパスフィルタ動作することが確認された.マイクロスケールでPWGを用いた素子が可能なことを示唆している.
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Research Products
(17 results)