2009 Fiscal Year Annual Research Report
知的機能を持つ歩行者エージェントの空間行動モデリング
Project/Area Number |
21310092
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
兼田 敏之 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (10192543)
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Keywords | 歩行者エージェント / 回遊行動 / 避難行動 / 計画行動 / 東海地震注意情報 / 冗長性指標(歩行経路の) / 施設立寄りシークエンス / モデルの妥当性評価 |
Research Abstract |
今年度の研究成果として,およそ三点を挙げる。第一に,計画・代替・随時・迂回の諸行動を模擬する歩行者回遊行動エージェントモデルによるシミュレータASSAを,立体複合商業施設である名古屋市金山駅前「アスナル金山」の空間モデルを用いて実装し,シミュレーション実験を行い,後述の評価枠組に基づく多面的なパフォーマンス評価を通じて,その含意と改良を探った。また,商店街複合地区である名古屋市大須地区の平成15年度調査データを用いたシミュレーションにも着手した。第二に,東海地震注意情報発令時における名古屋駅周辺地区の混雑分析のための17万規模のエージェントシミュレーションを行うにあたり,スペース=リンク型エージェントシミュレータSLAS-LS(Space-Link type Agent Simulator for Large-Scale Crowd Analysis)をモデリング支援ソフトウエアSOARS上で試作し,その基本性能を確認した。第三に,知的機能を有する歩行者回遊行動エージェントのパフォーマンス評価枠組として,立寄り施設数や歩行距離などの平均値や標準偏差といった統計量,歩行経路長にみる各種行動の冗長性を求める冗長性指標に加えて,調査データとシミュレーション結果の双方の施設立寄りシークエンスの類似性の指標化を新たに試み,レーベンシュタイン距離を導入したシークエンス類似性指標を提案した。また,基礎文献の整理と探索の作業を進め,その整理に一応の成果をみた。
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