2011 Fiscal Year Annual Research Report
知的機能を持つ歩行者エージェントの空間行動モデリング
Project/Area Number |
21310092
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
兼田 敏之 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (10192543)
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Keywords | 歩行者エージェント / 回遊行動 / メンタルモデル / 計画行動 / 冗長性指標(歩行経路長の) / 施設立寄りシークエンス / 経路探索実験 / 目的物探索実験 |
Research Abstract |
今年度の研究成果として、およそ三点を挙げる。第一に、回遊行動エージェントシミュレータASSAver.3の評価枠組みならびにパフォーマンス評価に関する研究成果を順次公表した。エージェントのパフォーマンス評価のために新たに冗長性指標や立寄り施設シークエンス指標のシミュレーション結果と実調査結果との突合せの試みについてである。また,政策シミュレーションも実施している。また,規模乗換駅の非常時の滞留を予測するスペース=リンク型エージェントシミュレータに関する研究成果を公表した。 第二に、GPSロガー、プロトコル解析により,メンタルモデル不完備状況下における経路探索実験をさらに発展させて、名古屋市大須地区を対象として回遊行動に特徴的な,探索的に複数の用事を達成するプロセスを明らかにする目的物探索実験を実施し、商業地来訪者の空間認知-空間行動のメカニズムのモデリングへの手掛かりを得た。併せて、東京都秋葉原地区において従来型の回遊行動調査を行う機会を得ることができたため,有効回答数250票規模の回遊行動データを収集し、基本集計・分析を通じて、界隈性の多様性や来訪者層の多様性の関係を解明した。この調査データは回遊行動エージェントシミュレータのパラメータ設定の際に基礎知見の積み上げを供する。 第三に、研究成果のとくに国外会合での発表時にあわせて,基礎文献の収集探索と整理作業を行い,歩行者エージェントモデルの体系化を推し進めた。
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