2011 Fiscal Year Annual Research Report
複雑条件下における不整地盤上作業機械・人間系の転倒安全快適確保システムの構築
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21310106
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
阿部 雅二朗 長岡技術科学大学, 大学院・技術経営研究科, 教授 (60212552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 光隆 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50196755)
志田 敬介 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (40365028)
藤野 俊和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (70508514)
仲川 力 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (70249811)
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Keywords | 安全工学 / 機械力学・制御 / シミュレータ / 建設機械 / 不整地盤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、不整地盤上作業機械を対象に、人間と機械の動的相互作用を踏まえた複雑な条件下においても転倒事故を限りなく少なくし、万一発生してもその被害を最小限に留めることができる転倒安全快適確保システムを構築することである。本年度は平成22年度と同様に、転倒時の周辺環境への被害規模が大きく安全システムの構築も容易ではないクローラクレーンを対象に以下を実施した。 1.リアルシミュレータの安全確保システムの高度化つり荷巻上げ、ジブ起伏および旋回を組み合わせた複合操作に対応する実機運転室シミュレータおよび作業機械モデルよりなるリアルシミュレータシステムについて改めてリスクアセスメントを実施し、被験者および作業者に対する安全性向上のための安全防護柵を改良した。安全防護柵の扉の開閉を検知し、作業者が安全防護柵内に侵入した際にリアルシミュレータの動作を停止するインターロックシステムも構築し導入した。 2.鋼板補強軟弱地盤モデルの構築実際の作業地盤環境に多い火山灰質粘性土を充填した土槽およびその上に敷設された鋼板からなる軟弱地盤モデルを新たに構築した。実用上重要である鋼板補強した軟弱地盤上におけるクレーン動特性解析が可能となった。地盤内に埋設された土圧センサにより作業時における地盤内応力分布の解析も可能とした。 3.旋回複合操作時の転倒限界状態近傍の動特性解析高度化あるいは新規構築したモデル等よりなるリアルシミュレータを用い、つり荷巻上げ、ジブ起伏および旋回の基本三操作の内、旋回を含む二操作を組み合わせた複合操作時に、クレーン転倒限界状態を超過する前後において、パニック時にも注目し、運転者の能動特性として「操縦および注視点特性」、その受動あるいは反応特性として「心拍数、呼吸、脳波および咬筋活動の変化特性」と「つり荷挙動を含む機械動特性」の相関関係について代表的作業パターンに対し解析し考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度交付申請段階にて計画した三つの主要研究項目である「リアルシミュレータの安全確保システムの高度化」、「鋼飯補強軟弱地盤モデルの構築」および「旋回複合操作時の転倒限界状態近傍の動特性解析」の全てを実行できた点においては順調に進展していると言える。軟弱地盤モデルでの土圧計測システムの改善および転倒限界状態近傍の動特性解析の考察のさらなる深化が求められる等のため、「おおむね順調」評価に留めた。
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Strategy for Future Research Activity |
実機運転室シミュレータ、軟弱地盤モデルを含む作業機械モデルよりなるリアルシミュレータによる解析に、開発しつあるバーチャルシミュレータによる解析を組み合わせて代表的な作業条件下における解析を実施し、総合的に考察することによって、機械の運転者に違和感を与えずその危険行動を誘発することなく機能できる「人にやさしい、人の求める」システムすなわち「快適に転倒安全を確保できる」システムの基本原理を提案し公表する。
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Research Products
(1 results)