2010 Fiscal Year Annual Research Report
海域に推定されるマグマ供給系の地下構造調査による実体解明
Project/Area Number |
21310116
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神田 径 東京工業大学, 火山流体研究センター, 准教授 (00301755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 康雄 東京工業大学, 火山流体研究センター, 教授 (10334525)
橋本 武志 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (70283588)
八木原 寛 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60295235)
小山 崇夫 東京大学, 地震研究所, 助教 (00359192)
笠谷 貴史 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究副主任 (90373456)
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Keywords | マグマ溜まり / 海底観測 / 電気伝導度 / 火山噴火 / 姶良カルデラ |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、年次計画に従って、姶良カルデラを横断する測線に沿って海域・陸域の観測を行った。経費の大半は、これらの観測のための観測用消耗品と旅費、ならびに海域観測時の傭船費と観測機材の輸送費として使用した。海域の観測においては、鹿児島湾奥部の5か所において、底引網漁が休漁となる6月に約3週間の電磁場データを取得した。今年度は、アンカーの回収システムを新たに開発し、全5か所でその回収に成功した。観測期間中、若干の地磁気擾乱が記録されており、昨年度よりは質の良いデータが取得でき、予察的な解析では、数秒~千秒程度までの周期帯のデータを使用可能であることがわかった。陸域の観測は、姶良カルデラ北部を横断する測線に沿って、薩摩半島側が5か所、大隅半島側が5か所の計10か所で地磁気地電流法(MT法)による10000Hz~1000秒の広帯域観測を2~3km間隔で行った。解析の結果、薩摩半島側では、概ね良好なデータの取得に成功したが、大隅半島側では、磁場擾乱のない時期に観測期間があたったため、あまり良質なデータは得られていない。昨年からの2年間で2測線のデータがほぼ得られたので、各測線において陸域のデータのみを用いた2次元構造解析を行った。その結果、姶良カルデラ中央部を横断する測線では、海陸境界付近の地下10km程度に顕著な低比抵抗異常が見つかった。解析上の問題がクリアされていないため海域データについては使用していないが、マグマ供給系の一部を見ている可能性があるので、海域データも使った同時解析が今後必要である。一方、姶良カルデラ北部の若尊海底火山を横断する測線では、それほど顕著な異常は見られなかった。なお、これらの成果は、次年度の日本地球惑星連合大会および国際測地学・地球物理学連合総会において発表する予定である。
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