2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンシングによるメダカ小分子RNAの完全解析と機能の解明
Project/Area Number |
21310125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅川 修一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30231872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 厚志 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30327655)
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Keywords | メダカ / トラフグ / 小分子RNA / miRNA / piRNA / 次世代シーケンサー / トランスクリプトーム / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
メダカ成魚から11種類の組織(筋肉、消化管、眼球、脳、心臓、卵巣、精巣、受精卵、および8卵割期・発生ステージ21・ステージ22の各個体)、およびトラフグ1年魚から11種類の組織(速筋、遅筋、消化管、眼球、脳、心臓、肝臓、成熟精巣、未成熟精巣、成熟卵巣、未成熟卵巣)を単離し、小分子RNAを分画した。次にそれらにバーコード配列を付加しながらcDNA化して増幅、混合し、SOLiDによるシーケンシングを行なった。 これまでに3ランのシーケンシングを行なった。それぞれのランでのべ1.1億リード、1.6億リード、2.0億リードのバーコードによる識別可能なリードデータを得た。これらからシーケンシングの平均クオリティ値が20以上のデータのみを抽出して解析を進めた。それらの小分子RNAのシーケンスをmiRNAのデータベースであるmiRbaseに対して相同性検索を行なった結果、5000種以上の既知miRNA、miRNA*と一致あるいは高い相同性を示すシーケンスの存在が確認できた。また成熟精巣、未成熟精巣、成熟卵巣、未成熟卵巣においてはmiRNAの長さである22塩基前後でなく、25~30塩基の小分子RNAが大多数を占めていた。このことはショウジョウバエやマウスの生殖系列細胞において、小分子RNAの中で主要な分子はpiRNAであることと一致した結果であると考えられた。これら以外にも特定のtRNAの分解物が高い頻度を示した。またこれらのカテゴリーに分類できない小分子RNAの存在も示唆された。今後、得られたデータをさらなる解析を進めて、各小分子RNAの分類と機能の解明を進めて行きたい。
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Research Products
(5 results)