2009 Fiscal Year Annual Research Report
フラボノイドの高機能化に関わるプレニル化酵素遺伝子ファミリーの機能解剖と酵素工学
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21310141
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢崎 一史 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (00191099)
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Keywords | プレニル化酵素 / フラボノイド / 二次代謝 / 生合成 / 有用物質生産 |
Research Abstract |
本年度は、フラボノイドのプレニル化酵素のアミノ酸配列情報を充実させるために、プレニル化酵素遺伝子のリソースを増やすことに注力した。まず、カルコンやナリンゲニンといったフラボノイド、ならびに苦味酸として知られるフルログルシノールのプレニル化化合物を大量に含むホップを材料とし、その雌花からcDNAライブラリーを作成した。プレニル化化合物は雌花の中でもルプリン(腺鱗)に局在しているため、ライブラリー作成には、ルプリン部分のみを集めたものを材料としたが、そのため、ルプリンのマーカー遺伝子であるバレロフェノン合成酵素が濃縮された質の良いライブラリが作成できた。EST解析の結果、膜結合型のプレニル化酵素をコードしていると思われるcDNAフラグメントが複数認められ、クラスタリングを行った所、これらは互いにアミノ酸相同性の高い2種類のcDNAであることが分かった。既にRACEにより、全長cDNAを得ており、アサ科に属する植物のプレニル化酵素として、そのアミノ酸配列は重要なリソースとなった。現在、酵母、植物など膜結合性の蛋白質を発現させられる系に導入して、形質転換体を得ようとしている段階である。 これとは別に、トウダイグサかに属する樹木であるオオバギは、果実の腺鱗に大量のプレニル化化合物を含む。この植物のプレニル化フラボノイドの特徴は、B-環にゲラニル基を有していることで、トウダイグサ科、という新たな科に属するプレニル基転移酵素というだけでなく、B-環特異的な酵素機能を持つクローンが得られることが期待される。この植物に関しても、同様のアプローチで、腺鱗特異的なcDNAライブラリを作成した。これまでに、断片ではあるが、6種類のcDNAがプレニル化酵素遺伝子の候補として得られている。
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Research Products
(7 results)