2009 Fiscal Year Annual Research Report
マクロライド系リガンドによる持続的な抑制性グルタミン酸受容体活性化現象の構造基盤
Project/Area Number |
21310147
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松田 一彦 Kinki University, 農学部, 教授 (00199796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾添 嘉久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80112118)
岡島 俊英 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10247968)
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Keywords | マクロライド系化合物 / イベルメクチン / ミルベマイシン / 抑制性グルタミン酸受容体 / フォトアフィニティー標識 |
Research Abstract |
イベルメクチンやミルベマイシンをはじめとするマクロライド系化合物による無脊椎動物特有の抑制性グルタミン酸受容体(GluCl)の活性化機構を解明するため、イベルメクチンの光反応性誘導体(4'-O-(4-azidobenzoyl) ivermectin B_<1a> monosaccharideと13-O-(2-(4-azidobenzoyl aminopropionyl) ivermectin B_<1a> aglycone)を合成し、COS-1細胞に発現させたカイコGluClに対する結合活性を[^3H]イベルメクチンを用いて評価した。その結果、両化合物とも1μMで[^3H]イベルメクチン結合を完全に阻害したので、光親和性標識実験に使用できると判断した。またそれと同時に、カイコGluClはイエバエあるいはショウジョウバエGluClよりもはるかに効率よく培養細胞で発現することをもあわせて発見した。イベルメクチンは、GluClに対する活性よりは弱いものの、α7ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のアセチルコリンに対する応答を増強するのに対して線虫C. elegansのACR-16に対してはそのような増強作用を示さない。そこで、これら二つの受容体の構造の違いと既報のα7 nAChRの3次元構造モデルを利用してα7 nAChR上でのイベルメクチン結合部位を探索した結果、膜貫通領域に結合する可能性が高いと推察された(論文発表)。さらに、線虫H. contortusのGluClサブユニットHcGluCl α3Bの1アミノ酸置換変異体を作製し、これをCOS-1細胞にホモマーとして発現させ、[^3H]ミルベマイシンA_4結合能を調べた。その結果、N-末端細胞外ドメインと第1膜貫通領域のアミノ酸がミルベマイシンA_4の結合に関わっている可能性も示唆された。
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Research Products
(2 results)