2011 Fiscal Year Annual Research Report
マクロライド系リガンドによる持続的な抑制性グルタミン酸受容体活性化現象の構造基盤
Project/Area Number |
21310147
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松田 一彦 近畿大学, 農学部, 教授 (00199796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾添 嘉久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80112118)
岡島 俊英 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10247968)
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Keywords | Ivermectin / Milbemycin / Glutamate-gated chloride channel / Sf9 / COS-1 / Binding assay / Patch-clamp electrophysiology |
Research Abstract |
イベルメクチン(IVM)やミルベマイシン(MLM)等のマクロライド系化合物は昆虫や線虫に特有の抑制性グルタミン酸受容体(GluCl)を持続的に活性化するが、その分子機構は不明であった。本研究では、このようなIVMやMLMのGluCl活性化機構を解明するため、カイコガGluCl(BmGluCl)の結晶化に必須の多量発現系の構築を試み、血清を含有する培地で培養することによって本受容体がSf9細胞で著量発現可能であることを明らかにした。また、アフリカツメガエル卵母細胞を用いてBmGluClの発現量に影響する構造について検討し、exon3がコードするアミノ酸配列とC末端のアミノ酸配列が本受容体の発現量に大きな影響を及ぼすことを発見した。一方、IVMに抵抗性を示す生物(線虫、昆虫、ハダニ)で見出されたGluClのアミノ酸変異に相同の変異をもつ捻転胃虫のHco-AVR-14B受容体に対する[3H]MLM-A_4の結合親和性およびMLM-A_4による塩素イオン電流誘起活性を測定し、Leu256、Pro316およびGly329の変異により[^3H]MLM-A_4の親和性が顕著に低下し、L256FあるいはP316S変異によってMLM-A_4の塩素イオン電流誘起活性がそれぞれ37倍および100倍低下することを見出した。このことから、Leu256が存在するN末端のβ10鎖、Pro316が存在する第2膜貫通領域と第3膜貫通領域とを結ぶリンカー、およびGly329が存在する第3膜貫通領域がHco-AVR-14B受容体とマクロライド系化合物との相互作用において重要な役割を果たしていることが判明した。さらに、Hco-AvR-14B受容体とMLM-A_4とがつくる複合体モデルをin silicoで構築し、本受容体内にMLM-A_4の結合部位が2か所存在する可能性を初めて明らかにした。
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Research Products
(4 results)