2009 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジアから東南アジアをつなぐ華人ネットワークについての研究
Project/Area Number |
21310155
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷垣 真理子 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (50227211)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩出 浩和 城西国際大学, 留学生教育センター, 助教 (60235497)
容 應萸 亜細亜大学, 経営学部, 教授 (20230849)
林 少陽 東京大学, 教養学部, 准教授 (20376578)
日野 みどり 金城学院大学, 国際文化社会学部, 教授 (00367632)
山本 博之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80334308)
|
Keywords | 華人 / 華南 / ネットワーク / 北東アジア / 東南アジア / サハリン / 香港ディアスポラ |
Research Abstract |
本プロジェクトは華人ネットワークが北東アジアから東南アジアまでをいかにして結びつけているのかを考察する。当該地域では1990年代に中国が高度経済成長に入ると、沿海都市を中心にリアルタイムで情報が共有されるようになった。本プロジェクトは従来見過されがちであった北東アジア、とりわけロシアを視野に入れる。華南を起点にした華人ネットワークは、東南アジアと華南、華南と北米を結ぶだけではなく、北東アジアも活動圏に入れて、循環的なネットワークを築いているように思われる。本年は参加者各人がプロジェクトの中での位置を確定する年であった。本プロジェクトは現地調査が大きな柱である。2009年度は谷垣と容が関元昌一族のアラスカ・リユニオンに参加し、香港ディアスポラ家族におけるネットワークの強化の過程を考察した。塩出と林、日野は華南地域における中国内地との一体化の状況を現地調査した。とりわけ、塩出はマカオと珠海を、日野と林は香港と広東省を事例としてとりあげた。山本は東南アジアにおける現地化した「ペラナカン」という華人のネットワーク形成について考察した。6名の研究協力者については、和仁廉夫が戦時中の珠海三竈島の関係者への聞き取り調査を行い、飯島典子が台湾における客家文化復興運動の展開を追った。小川正樹は黄檗宗ネットワークの展開について、神長英輔はサハリンにおける日露間の貿易について資料収集した。このほか、院生である石塚洋介は香港における都市運動を通じて香港アイデンティティの表象について、伊藤博は中国の保険業における改革と開放について、それぞれ資料収集を行った。なお、本年度は中国の中山大学から陳広漢・香港マカオ珠江デルタ研究センター所長、毛艶華・同センター教授、程美宝・歴史系教授を招聘し、中山大学における華南研究の展開について紹介してもらい、プロジェクトのメンバーと意見交換した。
|
Research Products
(41 results)