2009 Fiscal Year Annual Research Report
生態学的現象学の技術哲学的展開――生態学的に優れた人工環境の構築に向けて
Project/Area Number |
21320003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 純一 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 哲也 立教大学, 文学部, 教授 (60384715)
染谷 昌義 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (60422367)
柳澤 田実 南山大学, 人文学部, 准教授 (20407620)
佐々木 正人 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10134248)
三嶋 博之 早稲田大学, 人間科学学術研究院, 准教授 (90288051)
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Keywords | 生態学的アプローチ / 技術哲学 / アフォーダンス / 知覚 / 運動 / 建築 / 照明 |
Research Abstract |
本年度は、計画通り、7月、12月、3月に研究会を実施し、それぞれの会で4つのグループの間で研究テーマの共通理解を深めながら、今後の研究計画を具体的につめるための発表が行われた。第1回には、代表者をはじめ、第1グループから生態学的現象学の観点と技術哲学を結びつける視点の可能性に関する発表と、第4グループの三嶋博之氏から15thICPAの国際会議での発表に基づく報告がなされた。第2回には、第3グループの研究として乳児のつかまり立ちの発達を例にして、運動能力と環境の関係を解明する発表(山崎寛恵)とデザインを中心とした建築論と照明論の発表(関博紀、吉澤望)が行われた。第3回には、第2グループから音知覚に関する生態学的アプローチの可能性に関する発表(丸山慎)とスキーのジャンプを例にした運動エキスパートの知覚と運動の関係に関する発表(工藤和俊)が行われた。こうした固有の研究会のほかに、E・ホーレンシュタインによる講演会「地図の哲学と哲学の地図」、A・シュタインボックの講演会「信頼」、また、ワークショップ「技術哲学と日本哲学」(総合文化研究科のCOE、UTCPと共催)、T・インゴールドによる人類学的観点からの生態学と技術哲学の議論に関する研究会、などを行った。 こうした多様な研究会を通して、ひとつの重要な観点として、人工環境(住居環境、照明環境、スポーツの道具に関するルール)の製作や変更の過程とその中で形成される運動の形の形成(乳児の運動能力からスポーツのエキスパートまでさまざまな形)、知覚の形の形成(音知覚のあり方、住居環境の陰影の意味)の間のダイナミックな関係へと光を当てる観点が取り出された。この観点をさらに深め、それを技術哲学の観点と統合させることが課題として浮き彫りとなった。
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Research Products
(26 results)